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宅建業法改正に伴う「建物状況調査」の展望

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今回は、宅建業法改正に伴う「建物状況調査」が大体的に広がるか否かについてお話をして行きます。

「建物状況調査」を実施する為に必要な資格

国が指定した機関で既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士です。

しかし、「建物状況調査」の依頼する場合には、注意が必要です。

それは、もしも「建物状況調査」の依頼先の建築士が、

瑕疵保険法人の既存住宅瑕疵保険の検査事業者登録をしていない設計事務所の建築士だった場合、

買主様が、既存住宅瑕疵保険に加入したい、または加入出来る建物かどうかを聞かれた場合は、

改めて、既存住宅瑕疵保険の検査事業者登録をしている建築士を探し、

加入出来るかどうかの検査をする事が必要になります。

つまり、契約をスムーズに進ませたいのであれば、

「建物状況調査」の依頼先は、既存住宅瑕疵保険の検査事業者登録をしている、

かつ、既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士に依頼するべきです。

この事から考えて、

仲介業者様が、インスペクション業者を斡旋する場合は、良くよく確認する事が必要です。


瑕疵担保責任免責の場合の買主様のメリットは?

今度は、売買契約の内容に注意する事が必要です。

個人間売買の中古住宅において、現実的には、瑕疵担保責任免責建物の割合が多いです。

この瑕疵担保責任免責の建物に対して仲介業者が、

宅建業法改正に伴うインスペクション業者斡旋の可否を買主様に説明しても、

買主様には、何のメリットも有りません。

それは何故か?

買主様に対して、媒介契約時にインスペクション業者斡旋の可否を聞く事が義務化だと言っても、

現実的には、重要事項説明の時に買主様にインスペクション業者の斡旋の可否をしたとしても、

重要事項説明は、契約時にしますので、「建物状況調査」を依頼するにしても、既に契約後になります。

何のメリットも無いというのは、買主様が「建物状況調査」をして不適合部分を発見したとしても、

既に契約後なので、売主様がそれを修繕する義務は無いという事です。

しかし、買主様にとってのメリットを強いて言うならば、、契約後の「建物状況調査」で悪い箇所が分かる事です。

これでは、今回の宅建業法改正によるインスペクション業者斡旋の可否の義務化は、

瑕疵担保責任免責の中古住宅の場合は、買主様にとっては、何の意味も持ちません。


個人間売買の売主が「建物状況調査」をするメリットは?

建物に瑕疵、劣化が無い場合は、メリットは有ると思われます。

しかし、既存住宅瑕疵保険加入の為の検査に合格する住宅以外は、

「建物状況調査」をした為に、瑕疵保険加入の為の補修費用を出して直すか、

または補修費用分を値下げする必要性に対するプレッシャーがのしかかります。

この事を前向きに考えるか、後ろ向きに考えるかは、仲介業者様の考え方一つだと思います。

また、「建物状況調査」が個人間売買の売主にとってメリットになるのか、ならないのかも、

仲介業者様が売主様に説明する方法及び仕方次第だと思われます。


誰が「建物状況調査」を利用するのか


「建物状況調査」を悪用する訳では有りませんが、

中古住宅の買取再販業者である売主様(不動産業者)は利用すると思われます。

何故ならば、「建物状況調査」は、屋根裏・床下に入っての調査が無いからです。

これが何を意味しているか、今回は皆様の想像にお任せ致します。

結論として

宅建業法改正に伴う「建物状況調査」は、売主様側では大体的に広まらないと思われます。

しかしこれも、仲介業者様の販売姿勢次第だと思われます。

今回は、これで終わります。