2021/10/17
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<住宅診断知識として「基礎のひび割れ②」>についてお話をします。
前回の続きで
今日は
不同沈下には直接影響が無いと考えられる
基礎のひび割れ等をお話して行きます。
最初に
外部から見て
ひび割れ幅が判定基準の0.50㎜未満のひび割れの場合です。
上記写真は
ひび割れ幅が0.25㎜です。
外部からの調査では
0.30㎜のピアノ線で
20㎜以上ピアノ線が入るかどうかで検査しますが
そのピアノ線をひび割れに挿して
20㎜以上入らなければ
建物状況調査の様なインスペクションに場合は
基礎にひび割れ無しで判定されます。
この写真の現場の場合は
床下に入っての検査で
同じ個所を計測してみて
ひび割れ幅が0.40㎜だったのです。
つまり貫通ひび割れと言う事が分かりました。
しかし
どちらも0.50㎜未満だから
問題は無いのでは?になりがちです。
ひび割れ深さが
20㎜以上有った場合は
深さ20㎜以上の欠損として
瑕疵事象として報告しなければなりません。
もし
外部から見て
貫通ひび割れである事が分かったのであれば
既存住宅瑕疵保険の加入の為の検査では
不合格になります。
しかし
建物状況調査とか
既存住宅瑕疵保険加入の為の検査では
床下に入っての検査をしませんので
貫通ひび割れとは分かりません。
つまり
このひび割れは問題無しで
瑕疵事象としては報告されないという事です。
実際(今)のところ
この建物の場合は
床に大きな傾斜は確認されていない事から
不同沈下とは関りが無いと判断できます。
次は
下記写真の様に
床下の検査で発見された
基礎に横に入ったひび割れです。
このひび割れを
床下で発見した時には
不具合原因が分かりませんでした。
事務所に帰って検討した結果
ひび割れを境にしての上下の
コンクリートの色が違う事が分かり
コンクリートの打ち継ぎ部分で
コールドジョイントが原因と判断できました。
構造的に
大きな不具合を起こすような
または不同沈下を起こすような
ひび割れでは無いと考えられますので
基礎鉄筋が空気に触れない様に
シーリングを打ちの補修が必要です。
次は
基礎のひび割れとは少し違いますが
下記写真の様な不具合事象が確認されます。
上記写真の様な
鉄筋が見えていないジャンカの不具合の場合は
下記資料の様を参考にして頂いて
補修する様にして下さい。
もし
鉄筋が見える様なジャンカであれば
程度にも色々有りますが
鉄筋のサビ処理を必ず実施して
下記資料の補修方法で補修して下さい。
上記写真のジャンカ程度でしたら
構造的に問題になる事は無いと考えます。
一般的には
このジャンカ事象の場合
コンクリートの強度にも影響が有りますが
鉄筋とのかぶり厚さが取れなくなる事も
不具合事象として考えられますね。
たまに聞くのですが
何処かのインスペクターが
鬼の首でも取ったかのように
欠陥住宅だ!
基礎やり替えだ!と言う様な
不具合の事象では無いと考えます。
勿論程度にもよりますが
上記写真程度であれば
キチンとマニュアルに則って
補修をして貰いましょう!
お話が反れますが
工務店に対しての付き合い方は
いい加減な仕事はダメですよ!
キチンと直して貰いますよ!
と言うスタンスを明確にし
不具合を
工務店にキチンと直して貰う様にしましょう!
何でもかんでも
やり替え!って言うのではなく
引く時は引き
強く言わなければならない時は
一歩も引かない姿勢で強く言う
この強弱をバランスよく考えて!
工務店とは
良い関係で長く気持ちよく
お付き合いをしましょうね!
最後にお話が反れましたが
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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