2021/11/27
「住宅診断」を数多く実施して
不適合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない様に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<プラン作成には「構造区画割」が重要!>についてお話をします。
今まで
「住宅診断」を実施して
住宅の不具合事象を多く目の当たりにした経験を基に
インスペクター目線からの
住宅プラン作成の為の基本的なお話をします。
前々回のお話は
2階の床が下がる原因として
『柱の直下率』と『梁の両端には柱』について
しつこい様に繰り返しましたが
この事はプランを考える上で
基本中の基本として考えておいて下さい。
工務店などにプランを依頼する時にも
『柱の直下率』と『梁の両端には柱』
に沿う様なプランをお願いして下さいね!
で
今日は
次のステップとして
実際にプランを考える時の注意点としての
お話をしてみます。
本題に入ります。
『柱の直下率』を遵守していれば
自ずと筋違い(筋交い)の位置は揃うはずですが
プランの要望として
2階の部屋割りの条件として
①子供室6帖以上が3部屋と1帖くらいのクローゼット
②寝室8帖以上とクローゼット(出来ればウォークインクローゼット)
③トイレも欲しい
④バルコニーも欲しい
となれば
外周部の『柱の直下率』を遵守していたとしても
梁間スパンを2間(3.64m)以内にする事が
大変難しい場合が出て来ます。
2間スパンを遵守しようとすると
1階のLDK の空間に柱が来てしまい
その柱を無くす為には
2階の間取りが要望通りに出来ないとか・・・・。
つまり
最初に1階の間取りを考えた後に
2階の間取りを考えようとすると
上記の様に柱の位置に苦労する事になります。
ここで大切な事は
前回のブログにも記載していますが
構造区画割(最大梁間スパン3.64m)の計画を
最初にシッカリと考えておかなくてはいけません。
つまり
『梁の両端には柱』です。
これさえシッカリと出来ていれば
後は
柱の位置の微調整で
何とか要望に叶った間取りが出来ると思います。
問題は
筋違い(筋交い)の配置と窓の配置・大きさに
注意を払って頂きたいのです。
建物の外周部の柱の直下率と耐力壁の直下率も
窓の位置を気にしなければ
恐らく100%近くになっていると思いますが
この次の問題点は
窓の位置・大きさです。
建築基準法には
各居室に採光に必要な窓の大きさが決められています。
これを考え出すと
柱の位置とか
筋違い(筋交い)の直下率が疎かになって来ます。
まぁ
ここまで来れば微調整のお話になりますので
直下率が極端に減らない限りは
筋違い(筋交い)のバランスを第一に考えれば
「良し」と考えます。
上記の
構造的な事を考えて間取りプラン作成する上で
一番厄介なのは
階段を何処へどの様な形状で配置するかになりますが
階段の取り方については
また近い内に・・・・。
今日の纏めとして
2階の床が下がらない間取りを考えるには
最初の構造区画割の計画が重要です!
参考プランとして
下記プランは
筋違い(筋交い)の直下率は100%
柱の直下率はバルコニー部分の柱以外では
直下率も100%の「Y&Yモデルプラン」です。
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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