2017/12/17
今回は、中古住宅を購入するに当たって、注意項目を連載してお話をしていきます。
今回は、「注意点その一」です。
注意点その一
建物が建っている敷地の状況を確認する事。
これは、建築の専門の知識が無くても確認できます。
◆確認する内容は
建物から2m以内に、2m以上の法面が有れば要注意です。
もし購入を考えている所が、ミニ開発などをして建てられている様で有れば、
ここで仲介業者様に、宅地の開発許可証が有るかどうかを確認して下さい。
許可証が有れば少しは安心ですが、もし無ければ、契約前に必ず「住宅診断」を依頼しましょう。
法面が近くに有る場合は、建物の不同沈下に注意が必要です。
この場合、特に床の傾斜を詳細に調査する事と、基礎のひび割れが貫通しているかを調査する事が重要になります。
◆建物の不同沈下の有無を判断できる住宅診断士の見分け方の例として
例えば1階10帖の居間の場合、計測箇所は何箇所測定するかを聞いてみて下さい。
4~5箇所しか計測をしない住宅診断士は、不同沈下の有無を判断できる可能性は低いです。
◆住宅診断の経験と言っても色々有ります
例えば、「県下でシェア何パーセントの実績が有ります。」とホームページに書いている業者がいたとします。
今現在で、シェア何パーセント有ると書いているのは、明らかに「新築・既存住宅の瑕疵保険」の検査を指しています。
瑕疵保険加入の為の検査は、「住宅診断」とは全くもって異質のインスペクションです。
瑕疵保険の検査でなくても、検査所要時間は2時間~3時間です。と書いている業者がいますが、
2時間~3時間の検査で微妙な不同沈下の判断は出来ません。(一般の方が見て分かるような物件を除いた場合)
また、「今迄何百件の実績が有ります。」とか、「お客様の声」をたくさんホームページに書いている業者がいたとします。
これが本当かどうかの見極め方は、その業者がホームページのブログを常に新しく更新掲載しているかどうか、
又はフェースブックに常に住宅診断関連の記事を掲載しているかを見れば、ある程度分かります。
もう一つ、「耐震診断と住宅診断」をホームページの一面に掲載している業者がいたとします。
耐震診断をメインにしている業者は、自社で耐震補強工事をされる会社が殆どです。
果たして、その会社が本当に第三者的に診断するのかが疑問が残ります。
自社で、リフォーム工事などの請負をしている会社かどうかの確認が必要です。
話を戻して、
測定した結果を、測定数値を図面に記入して、床の傾斜傾向を判断しない事には、不同沈下が有るかどうかは判断できません。
それと、外部で確認した基礎のひび割れ箇所を、
床下に入って、外部で確認したひび割れが、貫通しているかどうかを確認する事も重要になります。
この貫通した基礎のひび割れ箇所と、床の傾斜傾向を総合的に確認して、初めて不同沈下しているかどうかが判断できます。
後は、壁の傾斜も参考にすると、一層信頼度が増していきます。
最後に
中古住宅であれば、少なからず床が傾斜しているものです。
その傾斜傾向の原因が、床の構造材によるものなのか? 地盤沈下によるものなのか?
または、許容範囲かどうかを分析してお客様に説明するべきと思います。
ただ単に、言葉または報告書で問題が有りませんでしたでは、住宅診断の意味が有りません。
せめて「この様な傾向が有りますが、許容範囲ですので問題は有りません。」まで説明をしたいものです。