2021/12/14
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない様に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<全構造材ホウ酸処理のおすすめ!>についてお話をします。
新築住宅を建てるに当たって
色々な建物に対する考え方が有り
目線を変えるだけで
「目から鱗」的な新たな考え方も有ります。
今まで
Y&Y設計事務所が考えていた
Y&Yモデル住宅に於いては
許容応力度の耐震等級3は必須項目として
柱の直下率60%
耐力壁の直下率50%
省エネ関係の目標はG2レベル(UA値 0.46)で
目先の目標はZEH(UA値 0.60)と考えて
上記の事をシッカリと押さえていれば良いと考えていたのです。
しかし
大変重要な事が抜けている事に気が付いたのです。
つまり
許容応力度の耐震等級3の住宅を建てたとしても
構造体が蟻害・腐朽が有った場合は
その耐震性が大きく失われるのではないか?
で
今日のお話は
最初に「蟻害」の事を色々と調べてみました。
古い資料ですが
下記資料①は
阪神・淡路大震災後の調査で
腐朽・蟻害が無い住宅の場合は50%が全壊・半壊に対して
腐朽・蟻害が有る住宅の場合は95%が全壊・半壊という統計が有ります。
下記資料②は
熊本地震の調査結果の資料です。
新耐震基準導入以降で倒壊した内で
建物の状況が把握できた77棟の内
蟻害によると考えられたのは2棟が確認されたとの事。
旧耐震基準の建物に関しては資料が見つかりませんでした。
上記①、②の資料からも分かる様に
「蟻害」が無ければ助かった建物も有ったと考えられます。
では
この「蟻害」対策として考えられる事は
皆さんもご存じの通り
「防蟻処理」ですね!
この「防蟻処理」は
建築基準法第49条第2項に規定されています。
またフラット35の耐久性要件に
防腐・防蟻措置を行う事が必要と書かれています。
基本的な考え方は
地上から1m以内の木材を処理する事です。
で
現状の主な「防蟻処理」は
現場で直接
薬剤の塗布または吹付をします。
この処理方法は
ヤマトシロアリやイエシロアリといった
主に土の中や湿った木材の中に
生息するシロアリに対する措置になります。
下記写真①は
床下地盤から土台への蟻道の写真です。
これらのシロアリは乾燥を嫌う為に
蟻道を作って風に当たらない工夫をしています。
広島県では
アメリカ産の侵入種で
アメリカカンザイシロアリも分布していて
名前の通り乾燥材を食い荒らすシロアリもいます。
水分を必要としないので
上記写真①の様に
土の中から住宅に這いあがって来るのではなく
いきなり2階や小屋裏に侵入する事が出来るのです。
なので
このアメリカカンザイシロアリが発見された住宅の場合
駆除が大変厄介になるそうで
駆除を断る防蟻業者もいるとの事。
この事を考えた場合
今迄通りの「防蟻処理」で良いのか?
って考えますよね!
で
イニシャルコストは高いのですが
安心・安全の為には
ホウ酸で「防蟻処理」をする事を
その中でも
全構造材をホウ酸処理を実施する事をお勧めします。
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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