2016/10/28
2年後に施行される宅建業法改正案の大きな項目の一つに、中古住宅をインスペクションして瑕疵保険付き中古住宅を市場出せば、エンドユーザーは安心して中古住宅を購入すると考えています。この考え方は大変良い考え方と思いますが、不安が有ります。
不安その①
現状の中古住宅に付ける瑕疵保険の制度及び内容が問題です。
私達が実施しているホームインスペクション(住宅診断)は、中古住宅の現況の調査です。建物全体のそれぞれの部位の劣化状況を調査・診断をし、(床下・屋根裏の詳細検査も90%以上は実施しています。)そのままを報告書にします。
一方、瑕疵保険に加入する為のインスペクションは、瑕疵保険に加入出来るか否かの検査です。それ以外の調査はしません。
この二つの違いがお分かりですか?
具体的にハッキリ分かる例として
瑕疵保険に加入できるか否かの検査には、床下及び屋根裏に入っての詳細な調査の必要は無く、点検口から覗ける範囲の検査でOKです。
実際に床下・屋根裏に入ってシロアリ被害は無いかどうか、雨漏り形跡が有るかどうかを診断するインスペクションと、ただ単に点検口から覗いて見える範囲のインスペクションでは信頼度はいかがでしょうか?
不安その②
中古住宅の瑕疵保険の期間は1年又は5年です。たとえ5年間の瑕疵保険が付いている中古住宅を、安心だと思い購入したとしましょう。もし引越しをした後に雨漏りがして水浸しになったとか、床下がシロアリで被害が有った場合はどうでしょうか?
その為の瑕疵保険だから、保険で直せば良いじゃないのって本気で考えていますか?
保険を降ろす為の申請手続き、被害を直す為の工事期間時のストレスは相当大きなものになります。一般的にこの様な補修工事をした後の家の価値はどうでしょうか?
◆自分を守る対策として
不動産業者が買取再販の中古住宅で瑕疵保険が付いているの場合(今後は急増すると思われます)は前述の内容通りの検査しかしていません。瑕疵保険が付いているからと安心して購入するのではなく、自分でインスペクターを探して依頼して下さい。
◆瑕疵保険付き中古住宅の簡易判断基準として
築15年前後 → 不安度 0~10%
築20年前後 → 不安度 10~40%
築30年前後 → 不安度 40~90%
築40年前後 → 不安度 90~100%
※築30年以上の中古住宅が瑕疵保険付き?そのような慈善事業的な不動産業者がいるとは考えられないです。
エンドユーザーが購入して耐震改修も含めたフルリノベーションするのであれば納得しますが。