2022/02/05
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<既存住宅に必要なインスペクションって何?>についてお話をします。
今から
既存住宅(中古住宅)の購入を考えている方は
不動産の仲介業者が薦める「建物状況調査」が
何の為のインスペクションなのか?
誰の為のインスペクションなのか?
をよくよく調べてみて下さいね!
今日のお話は
既存住宅に必要なインスペクションって何?
についてのお話をしてみます。
上記資料①は
「建物状況調査」の結果の概要です。
この用紙一枚で
建物のインスペクション結果が記載されています。
書類の中央から下に
劣化事象等が「有」「無」「調査できなかった」の
□にチェックを入れる様になっています。
現実的に考えて見て
この□にチェック入れている所を見ても
その説明を聞いたとしても
買主側は
建物の劣化状況なんか何も分からないと思います。
勿論
重要説明時には添付していませんが
インスペクターが
「建物状況調査」の調査方法で
調査結果報告書が作成されています。
契約時(実際は媒介契約時)に実施する重要事項説明時に
実質的には
買主側が「建物状況調査」を実施しませんので
売主側が「建物状況調査」を実施したとして説明しますと
この「建物状況調査の結果の概要」を
仲介業者が買主側に対して説明します。
ここで「?」になりませんでしたか?
何故
「売主側が「建物状況調査」を実施したとして説明しますと」
になっているかと言いますと
この「建物状況調査」の内容またはシステムは
結果的には
売主側が契約後に発覚した瑕疵に対して責任を取らない
つまり自己防衛の為のシステムなのです。
しかし
売主側が費用を出してまで「建物状況調査」を
実施する意味が有るのか?って考えた場合
ハッキリ言って意味が無いと考えます。
自己防衛の為だけで有れば
「契約不適合責任免責」で契約すれば良いのだから!
では何の為に「建物状況調査」のシステムが出来たかと言うと
そもそもは
空き家問題を解消する対策の為でした。
既存住宅をインスペクションして「安心」「安全」を
アピールして既存住宅流通促進の為だったハズなのですが
「建物状況調査」が普及せずに
結果的には的外れになったと考えます!
もし
国土交通省が
この「建物状況調査」を買主側が主体の
インスペクションで普及させていたら
現状は変わっていたと考えます。
この様に考えるのは
私だけなのかなぁ? (笑)
で
上記資料②は
最初に説明した「建物状況調査の結果の概要」とは違う
「住宅診断」の総合判定になります。
この総合判定は
「住宅診断」報告書の中の一部の書類ですが
この一枚の書類だけでも建物の劣化状況などの
建物全体の現況がハッキリ分かると思います。
しかし
問題が一つ有ります。
「建物状況調査の結果の概要」の場合は
どのインスペクターが作成しても
チェックの位置が多少変わるくらいですが
この総合判定の場合は
インスペクターの経験と考え方で
大変大きく変わってしまいます。
何が変わるかと言いますと
経験はある程度仕方が無いのですが
「住宅診断」に対する考え方が
ただ単に
不具合事象の有無だけを調査するのか?
それとも
不具合事象の原因までを調査するのかによって
総合判定の内容がガラリと変わって来ます。
話を戻して
因みに
この「住宅診断」は
買主側が依頼されるインスペクションになりますが
かと言って
買主側の立ち位置でのインスペクションでは無く
あくまでも第三者性を遵守したインスペクションになります。
この第三者性の遵守が無いインスペクションでは
売主側と買主側の双方の関係を
悪化させる可能性が出て来ます。
その様にならない為にも第三者性の遵守が大切なのです。
なので
「住宅診断」を依頼される時には
この事をよく理解してから依頼して下さいね!
という事で
今日の内容は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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