2022/04/16
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<北面掃出しサッシは有りなのか?>についてお話をします。
今日のお話は
団地内の広めの敷地を二区画に分割して
新築分譲住宅を2棟建てるケースについての
お話をします。
以前のブログで
水廻りの配置を南側に配置して
北側に大きなサッシを設置するプランは
購入を控えた方が良いと書いていましたが
北面に前面道路が有る場合は
室内に「明るさ」が採れれば
それはそれで良いのではないかと
考え方を改めましたので
その理由を説明してみます!
最初にシミュレーションの設定として
敷地の北面と西面に道路が有り
北面道路幅は4mとした場合で
道路を挟んで
北側の建物までの隣棟が6m有るとします。
で
敷地の南北の奥行が7.5mで
東西に長い敷地の場合を想定した場合に
建売業者がよくするプランとして
水廻り・階段を南側に配置し
LDKを北側(道路側)に配置して
北側に掃出しサッシを設置するプランです。
この間取りでは
LDKに関しては
直接の日射は入りません。
がしかし
何故か売れ残ってはいないのです。
このプランの間取りを想定した
採光シミュレーション結果を見てビックリ!
直射日光はLDKには入りませんが
春秋分・夏至・冬至の12時の室内の「明るさ」が
下記資料①,②、③です。
因みに
図面のLDK7.32㎡の方がキッチンです。 ☜ 間違えていました!
上記資料①の春秋分でも
図面のLDK14.72㎡の方は
細かい手作業から普通の読書迄出来る「明るさ」です。
上記資料②の夏至では
春秋分よりも
眩しい赤色の部分が広くなって
春秋分の時と同じ様に
細かい手作業から普通の読書迄出来る「明るさ」です。
上記資料③の冬至では
細かい手作業から普通の読書迄出来る「明るさ」の面積が
狭くなって来ていますが
それなりに室内は明るいです。
生活様式によっては
例えば
日中は殆ど家にいない場合には
直射日光の必要性は余り無いと考える方には
北面の掃出しサッシのプランは問題無いですね!
上記の事から考えて見ると
この様な敷地条件の場合は
直射日光が入らないですが
それなりに北面に大きなサッシを設置する事を
何が何でも有り得ない間取りと考える事は少し控えて
日射遮蔽以外に
住宅に重要な耐震性能及び断熱性能を
より良くする事を考えた方が現実的なのかなぁ!
と
今回のシミュレーションで考え直しました。
今日の纏めとして
敷地の北面に道路が有って
敷地の南北の距離が少ない場合は
室内に直射日光を入れる事よりは
あっさりと
室内に「明るさ」を
より多く取り入れられる間取りの考え方に
考え方を切り替えた方が
その敷地に合ったプランが出来るのかな?
という事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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