2022/07/28
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<不同沈下以外の床傾斜の不具合原因は?>についてお話をします。
今日のお話は
3階建ての新築分譲住宅の
柱の直下率のお話をします。
柱の直下率って何?
って思われる方もいると思います。
3階建ての建物で簡単に説明すると
3階の柱の下に2階の柱が有る割合の事です。
例えば
3階の柱が100本有ったとします。
100本の柱の下に2階の柱が何本有るか?
30本有れば
直下率が30%という事になります。
2階建ての場合の柱の直下率は
Y&Y住宅検査が考えている基準では60%以上を考えています。
で今迄は
3階建ての柱の直下率は構造計算をしていますので
直下率の検証はしていなかったのですが
今回
直近の2年間で実施した5棟の新築分譲住宅の
柱の直下率を計算して見ました。
それが下記資料①~⑤になります。
上記資料を見てみると
資料⑤以外は
2階柱の直下率が30%後半~40%前半で
3階柱の直下率は50%後半~70%前半でした。
この5棟だけで棟数が少ないので何とも言えないのですが
3階建ての建物の場合は
許容応力度計算を実施しているので
床傾斜の不具合事象に関して言えば
柱の直下率のパーセンテージの
多い少ないには余り関係無い様に思われました。
この5棟の中で
資料⑤の建物だけが
柱の直下率が70%を超えているにも拘らず
床傾斜の不具合が見られました。
その原因を検証して見たら
柱の直下に柱が無い
プラス
構造区画の基本である
梁両端の下を柱で支えていない
という事が確認されました。
では
柱の直下率の多い少ないは何に関係が有るかと言えば
地震の力を地盤に流す為には
柱の直下率のパーセンテージが多いほど
スムーズに流せす事が出来るので重要と言う事です。
今日の纏めとして
床傾斜の不具合の直接の原因は
①柱の直下に柱が有るか無いか?
②梁両端の下を柱で支えているかいないか?
この2点がキーポイントです!
ゆえに
新築分譲住宅を購入する前には
「住宅診断」も大切ですが
図面チェックで上記2点のキーポイントを
チェックされる事をお勧めします。
という事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これでお終いです!
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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