2022/09/09
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<Y&Y住宅検査の「住宅診断」の方向性は?>についてお話をします。
今日のお話は
Y&Y住宅検査の「住宅診断」の原点のお話をします。
下記資料①は
2015年4月に実施した「住宅診断」の
1階床・壁傾斜チェック図面です。
「住宅診断」の業務を始めて
2件目の「住宅診断」の依頼でした。
当時は
今使用している壁の傾斜計測に
自前で制作した小道具を使用しておらず
1箇所づつレザーレベルで
上下2箇所(計測距離2m)を計測していました。
なので
チェック図面に書かれている数字は
上下2mの計測距離の差を明示していますので
例えば「12」と書かれている場合は
6/1000の傾斜になります。
話を戻して
キッチンが有る床の計測数値を見て下さい。
最大の床傾斜の差が
-34を筆頭に10/1000前後の傾斜が有りました。
敷地の環境は
図面の上側(北側隣地)が4mくらいの低い法面が有ったので
床・壁の傾斜の原因は
明らかに低い法面側に建物が不同沈下していました。
依頼者様のお話では
急いで引越し先を見つけて
引越しをしないといけない理由が有ったので
手頃な物件を見つけて契約して引っ越したそうです。
引っ越してから
床の傾斜に気が付いたのですが
「瑕疵担保責任免責」で契約していたので
「泣き寝入り」だったとの事でした。
で
床の傾斜を直す為に
どのくらい床が実際に傾斜をしているかを知りたくて
私どもに依頼をされたそうです。
基礎が無鉄筋の布基礎で
至る所に2㎜以上のひび割れを確認していましたので
基礎下からのジャッキアップは難しいので
土台揚げになると説明して補修工事の概算を伝えました。
この既存住宅の「住宅診断」を実施して
初めての事で
こんなに酷い床・壁の傾斜が有るにも関わらず
エンドユーザーの方は気が付かないのかなぁ?
と思ったり
売買契約で
「瑕疵担保責任免責」と言う買主側にとって
大変不利な契約のやり方が有る事も分かって
ビックリしたのです。
正直に言うと
この物件に遭遇していなければ
調査の仕方がただ単に
表面的なインスペクション(建物状況調査的な)で
他のインスペクターと同じ
不具合事象の有無だけを調査していたのではないでしょうか?
今のY&Y住宅検査が掲げている
不具合事象の原因追求する事迄は考えなかったと思います。
今日の纏めとして
既存住宅で築20年以上の「住宅診断」の依頼は
残念ながら今では依頼は有りません。
築10年以内の築浅既存住宅か
または新築分譲住宅の依頼しか無くなったので
Y&Y住宅検査が独自の調査項目を作成して
築浅・新築分譲住宅を「住宅診断」しています。
独自の調査項目とは
①建築基準法のチェック
②瑕疵保険設計施工要領のチェック
③フラット35の木造住宅工事仕様のチェック
以上の3項目です。
まぁ
ホント新築分譲住宅の「住宅診断」を実施していると
上記の3項目の内2項目は必ず出てきます。
ただ
建築基準法違反ではない場合は
売主側(工務店)は補修する事をしぶり
買主側は
補修をしない事を受け入れて契約をしてしまいます。
これが現実ですね!
と言う事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不具合事象が無い事で安心。
納得とは、不具合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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