2022/10/08
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<基礎鉄筋のかぶり厚さよりも鉄筋のあき寸法!>についてお話をします。
今日のお話は
鉄筋の「かぶり厚さ」では無くて
基礎の「鉄筋のあき」寸法のお話をします。
先日
瑕疵保険検査にて鉄筋配筋検査を実施しました。
この建物は
構造計算を実施した建物でしたので
基礎の通りによって鉄筋の径やピッチがまちまちで
それを
基礎伏図と地中梁リストを見ながら
鉄筋配筋が図面通りかどうかをチェックして行きます。
構造計算をしていない建物で有れば
D13の上端筋・下端筋がそれぞれ1本づつと
D10の腹筋が一本
それと
D10のスターラップがピッチ200㎜
最後に
D13のタテヨコピッチ150㎜のスラブ(ベタ基礎の底盤)筋
が一般的に多いです。
なので
主にかぶり厚さと鉄筋の定着長さをチェックする事くらいです。
あともう一つ重要なチェック項目は
排水管廻りの補強筋の入れ方チェックが有りますが
最近では
既製品の補強鉄筋を取付けている場合が多いですね!
構造計算を実施している基礎の場合は
上端筋や下端筋が1本では無くて2本の場合が有ります。
この様な場合で
不具合事象として多いのは「鉄筋のあき」です。
この「鉄筋のあき」チェックは
鉄筋の径によって違いますので要注意です!
今回の瑕疵検査では
この「鉄筋のあき」の不具合を指摘させて頂きました。
因みに
「鉄筋のあき」は
建築基準法の規定には有りません。
一般的には
標準仕様書(コンクリート工事ーJASS5)に
定めている数値を参考にします。
鉄筋のあき寸法は
次の大きい方の数値を採用します。
①粗骨材の最大寸法の1.25倍
②25㎜
③鉄筋径(鉄筋の直径)の1.5倍
もし
基礎配筋の現場を見に行かれる機会が有りましたら
構造計算をしていない木造住宅の基礎で有れば
「鉄筋のあき」は32㎜(25㎜×1.25=31.25)です。
男性の指2本分くらいですので
簡単にチェック出来ますよ!
今日の纏めとして
木造住宅の基礎鉄筋配筋でよく話題に上がるのは
鉄筋の「かぶり厚さ」ですが
「鉄筋のあき」のお話は殆ど聞きません!
まぁ
そんだけ一般の方は関心を持っていないのでしょうね!
という事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不具合事象が無い事で安心。
納得とは、不具合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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