2022/11/01
「住宅診断」を数多く実施して
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今回は、<農薬系の防蟻処理剤の持続効果は、最長5年!>についてお話をします。
今日のお話は
新築住宅の防蟻処理についてお話をします。
注文住宅を検討している方は
防蟻処理剤に何を採用するかの検討材料にして下さいね!
予算的な事から考えて
新築分譲住宅の防蟻薬剤には
有機系の薬剤が主流になっています。
現在時点で
認められている薬剤として
アレスリン(合成ピレスロイド)・イミダクロプリド(ネオニコチノイド)
シプロコナゾール(トリアゾール)などですが
いずれも持続効果は短く
薬剤の持続効果は最大で5年間です。
なので
保証期間は5年しか有りません。
今回
このブログに取り上げたのは
薬剤の成分の云々ではなく
5年毎に
床下の防蟻処理をする事が大変ではないか?
という事を言いたいのです。
建築基準法には
地面から1mの構造耐力上主要な部分(柱・筋交い・土台など)等に対して
白蟻対策を講じる事が定められています。
ここから要注意して読んで下さい。
日本では
建築基準法の改正により
上記にあげた薬剤を使用していますが
薬剤には農薬成分が含まれていて
胎児への影響が懸念されていますが
必要悪との見方から使用が認められています。
今回は
この事を置いておいて
5年後に防蟻の再処理をするに当たって
大きな問題が有ります。
それは
床下の土台等は再処理が出来ると思いますが
問題は
壁内部分の柱や筋交い等の構造材は再処理出来ません。
何故ならば
仕上げ材で覆われてしまっているからです。
白蟻が必ず
床下に入ってから蟻害を発生させるのであれば
床下だけの再処理は有効かも知れません。
しかし
外部の基礎を蟻道を作って壁の中に入る事も考えられます。
この場合は
5年目の防蟻の再処理が疎かな状況になります。
まだ
5年毎に防蟻処理を継続されている場合は良いのですが
再処理に費用が掛かる事から
再処理を延期される事が多い様ですね!
では
注文住宅の場合はどうでしょうか?
注文住宅の場合は
防蟻処理方法の選択が可能です。
選択とは
従来の5年毎に再処理が必要な薬剤にするのか?
または
最初のコストは掛かっても
ホウ酸を使用した防蟻剤を使用するのか?
の選択が出来ます。
因みに
ホウ酸の防蟻剤は
最長15年保証が付いたりしますが
基本的に
防蟻の再処理は不要です。
また
ホウ酸は天然鉱物なので人体に影響は有りません。
今日の纏めとして
アレスリン(合成ピレスロイド)等の
薬剤を使用している場合は
5年毎の再処理は欠かさずに
防蟻処理を実施しましょう!
注文住宅を考えている方は
ホウ酸防蟻処理を採用して
地面から1mの範囲では無くて
屋根裏の木材迄の全ての木材に塗布する事も出来ます。
近年増えて来ている
アメリカカンザイシロアリの場合の
地面から家の中に入って来るのではなくて
いきなり屋根裏に入っての蟻害にも対応できます。
最初のコストは高いでしょうが
後の再処理の心配が有りませんので
出来れば
ホウ酸を使用した防蟻処理をお勧めします。
という事で
今日のお話は
新築住宅の防蟻処理についてのお話でした。
参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不具合事象が無い事で安心。
納得とは、不具合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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