2023/01/08
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<家を計画する時に考えて欲しい事③として>についてお話をします。
今日のお話は
前回に続いて家を計画する時に
考えて欲しい事を簡単にお話します。
前回と前々回のお話は
「断熱性能」「気密性能」
「開口部の日射取得と遮蔽」と
「耐久性能」としての
「外壁通気構法」「ホウ酸による防蟻処理」
についてのお話をしました。
今日の内容は
「耐震性能」についてお話をします。
「耐震性能」のお話をするに当たって
避けて通れないのが
熊本地震(2016年)の被害状況です。
下記資料①を見て下さい。
上記資料①に
書かれている様に
現行の建築基準法(2000年基準)で
建てられた住宅もわずかながら倒壊。
「耐震等級3レベル」で安全性は格段に高まる
と書かれています。
「耐震等級3レベル」と書かれていますが
この書き方は
奥歯に物が挟まった様な言い方ですね!(笑)
この事を私見での考えとして
耐震等級2(長期優良住宅基準の耐震性能)の
住宅が倒壊した事が分かっています。
この事から
耐震等級3(長期優良住宅基準の耐震性能)
以上の耐震性能で有れば
「安全性が格段と高まる」という文言が出たと思います。
ここでお話したい事は
耐震等級3(長期優良住宅基準の耐震性能)以上の
住宅を建てましょう!という事だけでは有りません。
耐震等級にも種類が有って
上記の
「長期優良住宅基準の耐震性能」
ではない耐震等級が有ります。
地震による揺れを
構造部材一つ一つにどの様に伝わるのか?
構造部材一つ一つにどのくらいの強度が有ればもつのか?
などの「許容応力度計算による耐震性能」を考えた
「許容応力度計算による耐震等級」が有ります。
分か易くまとめると
「長期優良基準の耐震等級」と
「許容応力度計算による耐震等級」の二種類が有ります。
同じ耐震等級3と言っても
許容応力度計算の耐震等級3の方が上になります。
以上の事から
注文住宅を考えている方は
「耐震性能」に関しては
「許容応力度計算による耐震等級3」を取得しましょう!
という事です。
ここで一つの豆知識として
同じ「許容応力度計算による耐震等級3」でも
ホンの少しプランを考える事で
構造材にかかる費用が安くなり
耐震性能もよりプラスになる方法が有ります。
それは
①構造区画を考える
②柱の直下率を考える
③耐力壁の直下率を考える
以上の3項目を
プランを作成する時に考えるのです。
以前アップした
下記のブログ等を見て下さい!
2022年1月20日
安全性の目安として直下率の計算は必須! (yandykensa.com)
2022年3月29日
「柱の直下率」以上に重要なのは「構造区画」ですよ! (yandykensa.com)
今日の纏めとして
住宅を考える時に一番最初に考えて欲しいのは
「耐震性能」です。
「温熱性能」や「気密性能」に目が行きがちですが
この二つの性能を地震後にも発揮させる為には
「耐震性能」が
シッカリとしている事が前提ですからね!
という事で
今回は「耐震性能」のお話をしましたが
参考になりましたでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不具合事象の有無を調査するのではなく、
もし不具合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不具合事象が無い事で安心。
納得とは、不具合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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