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③「建物状況調査」を上手に利用しよう!

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今回は、前々回に続き「建物状況調査」を上手に利用しよう!についてお話をして行きます。

下の写真 : じゅらく塗り仕上げの下地材継手部分のひび割れ

劣化事象部位 「内壁」 についてお話をします。

劣化事象部位 「内壁」 について

構造耐力上主要な部分に係る調査部位の欄の7番目に、「内壁」が有ります。

そして、劣化事象 「有る」 「無し」 「調査できなかった」 のどれかにチェックが入っているはずです。

もし、「有る」 にチェックが入っている場合は、内壁の下地材まで到達するひび割れ、浮きなどが有る場合、又は6/1000以上の傾斜が有る場合です。

この場合は、重要事項説明時に、売主、買主の双方が劣化事象を実際に確認し、双方が納得して契約する事になると思われますが、

内壁の下地材まで到達するひび割れ、浮きなどに関して言えば、

「じゅらく等の塗り壁」と「タイル貼りの壁」に対しての劣化事象と思われます。

しかし、この劣化事象が即構造的に問題が及ぶ事象かと言えば、99%以上は、問題無しです。

ただし、その他の劣化事象で、不同沈下などが一緒に有れば、構造的に問題が出ていると考えられます。

「建物状況調査」では、不同沈下の有無の判定をしませんので、

基礎のひび割れ、床の傾斜などに劣化事象が有れば、再調査(詳細調査)をする事が必要です。

もし、 「内壁」の部位に 「無し」 の所にチェックが入っていれば、

問題は無いと素直に受け止めても良いと思います。

それと、内壁の傾斜が6/1000以上の箇所が1、2箇所有ったとしても、

柱と床の傾斜が、6/1000以上無ければ、部分的な事象と考えて問題は無いと考えられます。

「内壁」のまとめとして

劣化事象欄の 「内壁」 に 「無」にチェックが入っていた場合で、

「基礎」 「床」 の劣化事象に無ければ、素直に受け止めても、問題は有りません。

ただし、「基礎」 「床」 の劣化事象が本当に問題が無いという事が条件です。

大切な事は、売主側が提示する 「建物状況調査」 を鵜呑みするのでは無く、

その 「建物状況調査」 に潜む、隠れた瑕疵の可能性を見出す努力をして下さい。

そうする事で、安心・納得して中古住宅を購入する事が出来ます。

不安な場合は

自分だけでは、上記の内容まで確認が出来ないと思われる場合は、

重要事項説明の 「建物状況調査」 の立ち会いを 

「住宅診断」 専門のインスペクターに 「セカンドオピニオン」 として依頼する方法が有ります。

ただし、劣化状況の原因を、目視の範囲で調査出来る

実績と経験が有る 「住宅診断」 のプロに依頼して下さい。

劣化事象の項目で特に注意する項目として

「基礎」 「土台及び床組み」 「床」 「柱及び梁」 「内壁」 「天井」 「小屋組」 の内、

「土台及び床組み」と「小屋組」は、床下・屋根裏に入っての調査をしないと分かりませんので、

ここでは、 「基礎」 「床」 「柱及び梁」 「内壁」 「天井」 を注意項目として、

次回は、「柱及び梁」 についてお話をする予定です。



今回は、これで終わります。