2018/10/04
今回はタイトルが長くなりましたが、この事についてお話をします。
写真説明:リフォームされた中古住宅の床下
結論から
残念ながら何一つ買主様側にとっての朗報は有りません。
しかし反対に、買取再販業者が両手を上げて喜んでいます。
また、宅建業法改正がスタートした同じ日にスタートした「安心R住宅」に参加する為に、
国土交通省に登録する団体が増えています。
上記内容の理由として
この「安心R住宅」とは、
中古住宅をリフォームして、原則として既存住宅瑕疵保険に加入できる状態まで補修などを実施した中古住宅を、
「安心R住宅」の商標を使用して販売する事ができるのです。
「安心R住宅」の商標が付いた中古住宅は、
「既存住宅瑕疵保険が付保」出来る事が謳い文句になっています。
いかにも国が保証している様な感じを受けますが、
国は何も保証していないので誤解が無いように注意が必要です。
瑕疵保険法人5社が、それぞれを保証しているのです。
このコラムにも何回も記載していますが、
「既存住宅瑕疵保険」に加入する為の検査は、
中古住宅で一番瑕疵・欠陥が発見される可能性の高い床下・屋根裏に入っての検査は無いのです。
なので、買取再販業者は、率先してこの「安心R住宅」の商標が使用できるように、国土交通省に登録している団体に加入しています。
上記内容の裏話の一つとして、
新築住宅の瑕疵保険の加入率は100%ですが、
既存住宅瑕疵保険の加入率は新築の約10分の1程度です。
この低迷している既存住宅瑕疵保険の加入を後押しする為の政策が、「安心R住宅」と言っても過言では無い気がします。
何度でも言いますが、「既存住宅瑕疵保険」に加入する為の検査に、中古住宅で瑕疵・欠陥が発見される確率が高い床下・屋根裏に入っての検査は無いのです。
床下・屋根裏に入っての検査をしなくても良い「安心R住宅」は、何が安心なのでしょうかね?
国土交通省は、ただ単に自分達の天下り先を作っているだけしか考えられないですね。
買主様の自衛策として
結局、日本独自の売主主導のインスペクションは、業者の利益しか考えられていません。
もしあなたが、中古住宅をお考えになっているのであれば、
欧米では当たり前になっている買主責任によるインスペクション。
つまり自分で、インスペクション業者を探して、買主手動のインスペクションをするべきと思われます。
ただし、一つ注意する事が必要です。
インスペクション業者を探すに当たって注意する事は、
ホームページの内容を良く確認して下さい。
何を確認するのか?
ホームページでよく見られるのは、業界ナンバー1とかを大きく見出しで出ている業者は避けるべきです。
この業界のパイオニア的な大手業者が一社有りますが、それを見ますと、日々の活動などブログが常に新しく更新されています。
この会社は特別ですが、それ以外のインスペクション業者は注意が必要です。
地方においては、やはりブログが更新されていれば、どの様な考え方をして活動しているか等が分かりますので、それを参考にする事が一番と思います。
後は、インスペクション費用などが気になると思いますが、
ただ単に、劣化事象の有無だけの報告書を作成して住宅診断しました的な業者がほとんどです。
劣化事象の有無は、買主様が見ても分かる事がほとんどです。
例を上げてみますと、基礎のひび割れの劣化事象が有ったとしましょう。
先程の業者で有れば、何処其処に0.5ミリのひび割れが有りましたで終わりです。
本当に買主様の為に考えて住宅診断をしている業者は、インスペクション費用は高いです。
しかし、その様なインスペクション業者は、先程の0.5ミリの基礎のひび割れの説明をする場合、
建物の床の傾斜傾向、壁の傾斜傾向、そして床下に入っての調査で基礎のひび割れの傾向を、最後に建物の廻りの環境を総合的に判断して、
「このひび割れは、この様な総合的な診断結果から判断して、何処其処が原因と思われる不同沈下によるひび割れです。」
などの説明が出来る住宅診断に精通しているインスペクション業者を選びましょう。
この劣化事象の原因追求をしないインスペクション業者は、
例え費用が安くても、そのインスペクションは捨て金と思いませんか?
今回は、これで終わります。