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「床下・屋根裏に入っての検査」が無い住宅診断とは

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今回は、「床下・屋根裏に入っての検査」が無い住宅診断とはについてお話をして行きます。

写真:買取再販の中古住宅の床下写真

このコラムにも、ホームページのブログにも再三「床下・屋根裏に入っての検査」は、住宅診断の必須検査項目ですと言い続けています。

今回は、これを違う方向から説明してみましょう。

「住宅診断」と似た言葉に「健康診断」が有ります。

知っての通り、「住宅診断」は住宅の劣化事象などの有無を診断して行きます。

「健康診断」は、人の健康状態に何か異常が無いかを診断して行きます。

ここでよく思い出して頂きたいのです。

「健康診断」で血液検査と尿検査は、必ず実施しますよね。

特に血液検査の結果を見て、血糖値が高いとか、中性脂肪が高いなどを基準範囲と比べて、自分の健康目安にしていませんか?

もし、健康診断に血液検査の結果数値が無ければ、自分で体調管理するのも難しいですよね。

また、体調がどこかすぐれない時に、血液検査結果の数値を見れば100%とは行きませんが、体調が悪い原因が高い割合で分かりませんか?

では、血液検査を「住宅診断」の床下・屋根裏に入っての検査に置き換えてみたらどうでしょうか?

「健康診断」に於いては、血液検査は基本項目ですよね。

「住宅診断」では、世間一般に考えられている住宅診断の基本項目には、床下・屋根裏に入っての検査はオプションで基本項目に入っていません。

「健康診断」では血液検査をしますので、その結果数値を見れば、例えば体調のすぐれない原因が分かる割合は高くなりますよね。

「住宅診断」では床下に入っての検査をしませんので、

ただ単に、例えば床の傾斜などの数値が分かるだけです。

この傾斜数値は、「住宅診断」をした結果分かった数値で、

その数値が瑕疵判定基準と比較して瑕疵の可能性の有無を判断します。

ここまでは、血液検査の数値と同じ意味あいです。

では、考え方の方向を変えてみましょう。

「健康診断」では、その数値が基準範囲より高かった場合、

そう言えば、疲れ易いのは、肝臓の所の数値が基準範囲よりも倍以上高かったからなのかと、体調が悪い原因が数値で想定出来ます。

原因(例えば、最近酒の量が増えたからかな?)が分かれば、その原因を治療(酒の量を減らすなど)する事が考えられますよね。

しかし、「住宅診断」の場合は、床の傾斜が瑕疵判定基準よりも大きかった場合、

そう言えば、何か床が傾いているようだったけど、瑕疵判定基準よりも大きかったからなのかと、床が傾いている原因が数値で想定出来ますか?

血液検査の数値の様に、想定は出来ませんよね。

「住宅診断」と「健康診断」は、同じ様に「診断」の言葉が付きますが、

何故「健康診断」の数値の様に、「住宅診断」の数値である程度原因が分からないのでしょうか?

分からないのであれば、他の方法は?

「健康診断」には血液検査は基本検査項目に入っていますから、血液検査の数値である程度自分の健康状態の原因が分かります。

しかし、「住宅診断」には、床の傾斜を計測する検査はしますが、その計測数値からは、原因は読み取れません。

血液検査に匹敵する、例えば建物の不同沈下または床の傾斜等の原因が高い確率で分かる検査として考えられるのは、

床下に入っての検査が有りますが、残念ながら基本検査項目では有りません。

ゆえに、私は「床下・屋根裏に入っての検査」を必須検査項目と考えているのです。

これは私の自論ですが、

「床下・屋根裏に入っての検査」が無い「住宅診断」を「健康診断」に置き換えれば、「血液検査・尿検査」が無い「健康診断」と同じではないでしょうか。

血液検査・尿検査は最低限の基本検査項目で、これが無い「健康診断」は有りません。

つまり、血液検査・尿検査に匹敵する床下・屋根裏に入っての検査が無い「住宅診断」は、依頼者にとって何の意味も持たないインスペクションではないでしょうか?


今回は、これで終わります。