2019/04/25
今回は、久しぶりにブログを更新します。
昨年年末から、新しい事務所の物色などに追われ、なかなかブログが更新できませんでした。
今日は、新しい事務所のパソコンでこの記事を作成しています。
今回の内容は、「インスペクションのトラブルその1」についてを書いて行きます。
昨年の4月に宅建業法が改正になり、仲介業者が売主及び買主に対して建物の調査をするインスペクションの説明をし、もしインスペクションを実施するので有ればインスペクション事業者の斡旋までが義務化になりました。
ただ実際には、売主、買主に対してさらっと流して説明する程度で終わっているのが実状の様です。
ここで特に問題な事は、仲介事業者自身がインスペクションに対する知識が非常に薄い、殆ど無いに近い知識で、尚且つ間違った情報を元に買主に説明している事が多いように感じます。
その一つに、既存住宅瑕疵保険加入の為の検査を実施して瑕疵保険に加入できる中古住宅であれば、いかにも安全・安心な建物として買主に説明して中古住宅を販売する事です。
この事は大変大きな間違いなのです。
既存住宅瑕疵保険に加入する為の検査には、中古住宅で瑕疵・欠陥が発見される可能性が非常に高い床下・屋根裏に入っての調査が有りません。
例えば、基礎に0.4㎜のひび割れが検査で確認されたとします。しかし、この0.4㎜の基礎のひび割れは瑕疵保険に加入できる基礎のひび割れが0.5㎜未満のひび割れなので瑕疵保険に加入できるのです。
もし、床下に入って調査をした場合、その同じ個所で外部から計測して0.4㎜のひび割れだった箇所が、床下から計測した場合0.9㎜のひび割れだった事は実際に有ります。
床下に入っての調査をしない既存住宅瑕疵保険に加入する為の検査がこの事だけでも安心・安全でない事がお分かりになると思います。
それを仲介業者は知ってか知らずかは分かりませんが既存住宅瑕疵保険に加入できる中古住宅ですから安心ですよと販売するのです。
もう一つのトラブルは、買主自身の自分勝手な考えで起きてしまうトラブルです。
最近はある程度インスペクションという事は聞くようになったと思われます。
そこで、買主様が中古住宅を購入する前にインスペクションを依頼してから購入するかどうかを決めようと行動される迄はとても良いと思います。
問題はここからです。
何が問題かと言いますと、インターネットでインスペクション業者を検索してインスペクターを決めて依頼する時の決め方です。
インスペクション業者をインターネットで調べるとインスペクション実施金額が安い業者で4万円ぐらいから始まり十何万円もする業者もいます。
ここで間違いを起こす方は、インスペクションの内容はどこも同じと決め込み、安い業者で近くのインスペクション業者に依頼する方が何と多い事。
安い業者は、例えばひび割れに関して言えば、殆どがただ単にどこそこにひび割れが有りましたという報告で終わってしまいます。だから安いのです。
これはこれでインスペクションを実施している事なので何も悪いことでは有りません。
しかし、そのひび割れの原因がただ単にコンクリートの収縮によるひび割れでは無くて、大きな瑕疵が含まれる不同沈下が原因で有った場合、今後床の傾斜が酷くなる可能性も出てきます。
引っ越した後になって床の傾斜が気になって他のインスペクターに調査依頼をした結果、例えば建物の近くに有る法面が原因で床が傾斜している事が分かったとします。
ここで、最初に依頼したインスペクターにこの事について文句を言っても仕方がないのです。
何が言いたいかお分かりになりましたでしょうか?
インスペクションを依頼する時は、ただ単に安いインスペクション業者に依頼するのではなく、インスペクションの内容までをよく確認して、依頼する事がトラブルを未然に防ぐ手立てです。
今回は、ここ迄で終わります。