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インスペクションの位置付けとして

今回は、<インスペクションの位置付けとして>についてお話をします。

2013(平成25)年6月に

国土交通省により「既存住宅インスペクションガイドライン」が策定され

下記ポンチ絵の様な一次的なインスペクション」「二次的なインスペクション」「性能向上インスペクションという

3つの階層による概念整理がなされました。

 

下記一枚目の「既存住宅状況調査技術者」講習テキストに記載されている

既存住宅状況調査は、この「一次的なインスペクション」に相当します。

 

【講習テキスト】

 

 

【ポンチ絵】

 

上記「図23」を見ますと

一次的なインスペクションは

現状把握のための基礎的なインスペクションに分類されます。

検査の方法と目的は

目視、計測及び非破壊検査による劣化事象等の有無を把握となっています。

この一次的なインスペクションとして代表的な検査に

改正宅建法における「建物状況調査」

既存住宅個人間売買瑕疵保険の保険加入の為の検査が有ります。

 

二次的なインスペクションは

不具合箇所などを修繕しようとする際に利用するインスペクションで

検査の方法と目的は

破壊検査も含めた詳細調査により劣化事象等の発生範囲や原因を判断する為と書いています。

 

以上迄が

一次的なインスペクションと二次的なインスペクションの位置付けを

「既存住宅状況調査技術者」講習テキストに記載されている内容です。

性能向上インスペクションは目的が違いますので

ここでは省きます。

 

今からお話する事は、個人間売買契約での内容です。

そもそも

2013(平成25)年6月に国土交通省により

「既存住宅インスペクションガイドライン」が策定される前段階では

空き家の増加問題が出て来ていたので

それを解決させる方法として

中古住宅の販売活性化させる方法・手段を考えた時

中古住宅をインスペクションして販売すれば

買主が不安なく安心して購入するだろうから

中古住宅の流通促進に繋がるのではないかと考えていたはず。

それが

いつも変わらずお役人様が制度の骨抜きをした結果が

上記のポンチ絵の内容です。

 

次的なインスペクションは

中古住宅の現状把握のための基礎的なインスペクションで

劣化事象の等の有無を把握する事が目的。

これが

改正宅建法における「建物状況調査」です。

つまり

例えば、基礎のひび割れの原因が分からない状態

ただ単に基礎南面に0.50㎜のひび割れが有りますの報告をする事だけが

一次的なインスペクションで「建物状況調査」なのです。

この報告書で、エンドユーザーがどうやって何を判断しろと言うのか?

 

「建物状況調査」の報告書を基に現地でひび割れの箇所を説明しても

エンドユーザーは

本当は、不同沈下が原因のひび割れだったとしても分からないです。

 

数年後に家の傾きが気になり

住宅診断を依頼した結果

引き渡し時に聞いた基礎のひび割れが大きくなっている事に気が付いても

売主に対して損害賠償は請求できないです。

売主は、基礎のひび割れが有る事を契約時に買主に伝えている為。

 

もし、既存住宅瑕疵保険に加入していた場合(加入する為には基礎のひび割れの補修が必要)で有っても

床の傾斜の原因が

その基礎のひび割れが原因で有ると証明をしなくてはなりません。

また

不同沈下が原因と分かった場合

不同沈下による床の傾斜は

既存住宅瑕疵保険の保険対象になっていない為保険は降りません。

 

これが

改正宅建法における「建物状況調査」という落とし穴ですね!

落とし穴と言うより

「建物状況調査」が巧妙な買主側の

騙しのアイテムとして活用されていると私は考えています。

 

つまり

「建物状況調査」は売主側にメリットが有る制度で

買主側にはデメリットしか有りません。

 

売主側は、「建物状況調査」を実施して

それを買主側に報告します。

この事で、売主側の契約不適合を盾に解約を請求されずに

また補修請求をされずに済む事になります。

 

このデメリットを無くす方法の一つが

買主自身がインスペクターに住宅診断を依頼して

事前に不適合事象の有無を調査してもらう事です。

不適合事象の原因も目視で分かる範囲で説明を受ければ

売主側の「建物状況調査」を鵜呑みにする不安がなくなります。

 

ここで問題なのが

不適合事象の原因まで調査し、報告して貰えるかを

事前に確認する事が必要です。

 

一般的なインスペクターは

「既存住宅状況調査技術者」の半日の講習で貰える資格しか持っていません。

また、この講習内容が住宅診断だと考えていますので

不適合事象の原因まで調査はしません。

良く確認をして下さいね!

今回は、これで終わります。

 

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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、

ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、

もし不適合事象が有れば、

その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、

不同沈下などの傾きが有れば、

建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、

より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、

お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に

説明するサービスを提供させて頂いています。

ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、

安心とは、不適合事象が無い事で安心。

納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。

住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。

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