2020/12/03
今回は、<基礎ひび割れ補修として>についてお話をします。
今から中古住宅を契約しようとしている建物の基礎に
ひび割れが有った場合は
売主にひび割れ補修を依頼すると思いますが
愛想良く、すぐ直してくれるのは良いとして
問題は
その補修方法です。
下記の3工法の内の①の
ただ単にひび割れに直接シーリングする方法が多いですね。
本来であれば
ひび割れの原因を追究して
それに合った補修をしなければならない所です・・・・・。
床の傾斜が余り無いようでしたら
②の補修方法を依頼できれば良いですね。
さて
基礎のひび割れ補修方法として
大きく分類して下記の3工法が有り
それぞれを簡単に説明してみます。
①Uカットシール工法
専用の電道具で
ひび割れに沿ってコンクリートをUの字に溝を削って行きます。
その後に
主にシーリング材を充填して
最後にモルタル塗りをして表面を整える工法です。
マンションなどの大改修時のコンクリートのひび割れ補修に採用されています。
一般の住宅の基礎のひび割れには
もっと簡易的に
ただ単にひび割れに直接シーリングする方法が多いですね。
②ビックス工法
聞きなれない工法名ですが
エポキシ樹脂注入工法と言った方が分かり易いでしょうね。
正式な施工方法を説明しても難しいので
ここでは、シーリング材の代わりに
エポキシ樹脂をひび割れに注入して行く工法です
と説明した方が分かり易いですね。
特徴は
シーリング打ちの様に
ひび割れの表面だけの補修だけではなく
ひび割れしたそれぞれの面の全面を
エポキシ樹脂で接着する感じと考えて頂ければ良いです。
③アラミド繊維シート貼り工法
ただ単にコンクリートのひび割れの為だけに
アラミド繊維シート貼り工法は採用しません。
皆さんが良く目にする所と言えば
大きな陸橋等の柱のせん断によるひび割れ部分に
貼って補強している所を見られた事が有ると思います。
住宅の基礎のひび割れに
この工法を採用する事は極々稀な事と考えます。
費用的な関係は
①Uカットシール工法 < ②ビックス工法 < ③アラミド繊維シート貼り工法
この中で
私がお勧めなのは、②ビックス工法です。
理由は
ひび割れ面の全面をエポキシ樹脂で接着しますので
鉄筋に湿気が届かなくなり
鉄筋の酸化(サビ)を防ぐ事に有効だからです。
ここから、本題と話がガラリと変わりますが重要な事です。
基礎ひび割れ補修方法を紹介しましたが
実際の住宅業界の現状を見てみますと
例えば
中古住宅で既存住宅瑕疵保険に加入する為には
基礎・壁に0.50㎜以上のひび割れが有れば
既存住宅瑕疵保険に加入出来ませんので
加入する為に
基礎ひび割れを補修しなければなりません。
ここでの補修方法のほとんどが
先程の3工法を紹介した中の最も簡易的な補修方法の
ただ単に
ひび割れに直接シーリングする方法での補修なのです。
見える部分の表面だけを補修すればOK。
何かに似ていると思いませんか?
住宅の見える表面だけを調査する「建物状況調査」です。
ただ単に劣化事象の有無を調査するだけでOKと言う所が
全く同じ発想です。
つまり
住宅業界、インスペクション業界に於いて
ひび割れとは
ただ単に一つの劣化事象に過ぎないという考えなのです。
その原因を突き止める事はしないで
表面だけの体裁を良くする補修だけで
中古住宅を流通させようとしている国土交通省。
この様な虫の良すぎる話は通用しないと考えたいですね。
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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