2020/12/20
今回は、<住宅診断を始めてから5年>についてお話をします。
住宅診断を始めた頃のブログを読み返してみました。
読み返して思った事は
最初は
何もかもが手探り状態だった事が
しみじみ思い浮かび
住宅診断の実施経験を
一件一件積み重ねる度に
実際に初めて見る劣化事象
住宅診断テキストには無い劣化事象
等々を目の当たりにして
その都度
本当にこの様な劣化事象が有るんだ
とか
何でこの様になるのか?
何でこの様な施工をしたのか?
と
原因を考えながら診断をしていて
ついつい時間の経つのも忘れていた時の事を思い出しました。
最初の頃は
今の建物状況調査の内容の報告書を作成していましたが
住宅診断をしながら
何でこの様になるのか?
何でこの様な施工をしたのか?
を考える癖が付いてしまい
ただ単に
劣化事象の有無だけを報告する建物状況調査ではなく
その劣化事象の原因までを報告する事の方が
ご依頼者様にとっては
安心ではないのかと考え始めたのです。
劣化事象の原因を説明するには
報告書だけでは分からない事が多いので
チェック図面を作成して
図面を見て頂く事で
劣化事象はこうなっていますが
その原因は
こうなっている事が原因と思われます。
と説明する様になりました。
この事は
国土交通省が考えるインスペクションとは違います。
国土交通省が考えているインスペクションは
劣化事象の原因は調査しない事になっています。
建物状況調査にしても
既存住宅瑕疵保険加入の為の検査も
ただ単に
劣化事象の有無だけ迄で終わりです。
これで良しとなっています。
その理由は色々有りますが
単純に
劣化事象の原因までを探す為の
経験を持っているインスペクターがいないからです。
しかし
そもそも、国土交通省が考えていた事は
中古住宅を流通させる為に宅建業法を改正させて
中古住宅にインスペクションを実施させる事で
買主が安心して購入するだろうと期待して
中古住宅の販売促進を考えていたはずです。
結果的に宅建業法改正は
インスペクション業者の斡旋を売主・買主に説明・確認する事が義務化になっただけで
肝心のインスペクションを実施する事が義務化にはなっていません。
何もかもが
骨抜きになってしまいました。
この5年の間で
インスペクション業界の発展に対する期待と思いが
結果的には
全然違う方向(買主側の安心に繋がっていない)に行っていまい
インスペクションが普及しなかった原因と考えます。
大きな原因は
国土交通省が
売主側が実施するインスペクションを普及させようとしたからです。
結局は
売主側に都合の良い報告書が信用できないという事です。
残念ですね!
話が反れましたが
私が実施している住宅診断は全て
買主様側からの依頼で
買主様側が主体の住宅診断です。
だからと言って
買主様側に沿った診断はしていません。
インスペクターにとって
一番大切な事で
遵守しなければならないのは
第三者性です。
この第三者性を遵守しながら
劣化事象の原因を
目視で出来る範囲と経験で
追及して行きます。
最後に
今迄のお客様(相談者)で
何人も泣き寝入りした方を見ています。
安心して、納得して
中古住宅を購入して頂けるよう
泣き寝入りをさせないように
住宅診断を続けて行きます。
今回は、これで終わります。
◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊
「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊