2021/08/05
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<柱の直下率と構造区画の重要性として>についてお話をします。
新築分譲住宅だから
床の傾斜は有るはずがない!と
考えたいですよね!
それでも
住宅診断を実施して確かめてみて下さいね!
今日のお話は
少し専門的な内容になりますが
分かり易く説明しますと
3階建て新築分譲住宅の場合
構造計算をしなくてはなりませんが
以前までの認識では
構造計算をしていれば
柱の直下率は
(柱の直下率とは、2階の柱の下に1階の柱が有る事。)
そんなに気にする事は無いと考えていました。
しかし
実際のプランを検証したら
それが間違いだった事が分かったのです!
構造区画を考える基本に
梁を支える為には
梁の両端に柱が無ければならないと言う事と
柱の下には柱を持って来る事の
両方が揃わないと
床が下がってしまうよ!というお話です。
最後まで読んでみて下さいね!
では本題に入ります。
3階建て新築分譲住宅の
床傾斜を改めて検証してみました。
以前のブログで書いた内容を
今回の検証結果から
修正させて頂きます。
上記図面の説明をします。
青い矢印の線で床の傾斜傾向を示しています。
少しの傾斜で1/1000の傾斜も有りませんので
普通のインスペクションで有れば
問題は無しになります。
しかし
Y&Y住宅検査に於いて
構造区画に関して
改めて検討をしてみました。
赤紫色の一点鎖線は
構造区画の基本的な考え方として
梁間間隔を最大3.640までと考え
3階床を支える梁を想定して見ました。
右側のタテ通りは3.640よりも
少し長くなっていますが
他に梁の架け方が有りません。
この下に柱が無いのが致命傷かな?
その梁の両端に柱で支える事を基本に考えた場合
上記図面の青〇の4か所
つまり
3階の柱(青〇)の下に2階の柱が無い事が分かります。
以前のブログでお話させて頂いた内容は
3階建ての場合は
構造計算をして
それぞれの梁の許容応力度計算をして
梁背(梁の高さ)を決めているから
柱の直下率に関係無しで
床が下がる事は無いと書いています。
しかし
今回の検証をした結果
構造計算をしていても僅かでは有りますが
床が下がっている事(傾斜傾向)
がハッキリと分かりました。
この原因は
この建物の場合の構造計算は
耐震等級1での計算です。
であれば
耐震等級3で計算していれば
今回のプランでは床が下がらないのか?
それとも下がるのかは
今の段階では分かりません。
となれば
やはり
耐震等級1の構造計算でも
柱の直下率が重要という事になります。
下記の図面は
左右を比べ易いと考えてアップしています。
今日の纏めとして
この事からプランを考える時には
構造区画も同時に考えながら
間取りを考えないと
今回の様に床が下がってしまう事が
今回の検証で改めて理解を深めました。
今日の内容は、少し難しかったですね!
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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