2021/10/09
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<タイル貼り部分のひび割れと不同沈下の関係は?>についてお話をします。
中古住宅の購入を考えて
現地の見学に行った時に
キッチン前の壁タイルとか
浴室の壁タイルにひび割れが有った場合は
要注意です!
そのひび割れの原因が何かをチェックする為に
他にチェックする箇所のお話を今日はしますね!
下記の様に
ひび割れ幅が2.0㎜以上有る場合は
注意が必要ですよ!
上記写真は
キッチンの前面壁タイルのひび割れです。
このひび割れ幅は2.20㎜有りました。
このひび割れの直接的な原因は
地震によって横揺れで入ったひび割れと考えます。
他に
このタイル面の対面の基礎には
4.0㎜の貫通クラックも入っていました。
因みに
隣地側は約6m程低い状況で
床・壁の傾斜計測結果は
低い法面側に
床の最大傾斜は7/1000
壁の最大傾斜は8/1000
の傾斜を確認しました。
上記写真は
浴室の壁タイルのひび割れです。
このひび割れ幅は3.50㎜有りました。
このひび割れの直接的な原因は
法面が低い方の隣地へ
新築分譲マンションを建設する為に
境界側に土留め用の鋼矢板を打ち込んだ時の
振動によって入ったひび割れと考えます。
床・壁の傾斜計測結果は
床の最大傾斜は12/1000
壁の最大傾斜は13/1000でした。
因みに
この住宅は建て替えになりました。
上記写真は
キッチン前の壁タイルのひび割れです。
この中古住宅の敷地環境は
隣地との敷地の高低差は無く
外壁はサイディング張りだった為
キッチンタイルの外壁面側には
目地シーリングなどにはひび割れ有りませんでしたが
基礎には0.60㎜のひび割れが確認しました。
しかし
床・壁の傾斜計測の結果は
床の最大の傾斜が4/1000でしたので
問題になる程の不具合事象は
確認出来ませんでした。
今日の纏めとして
中古住宅で
キッチン前の壁タイルとか
浴室の壁タイル貼り等の様に
タイル貼りの施工をしていた場合で
2.0㎜前後以上のひび割れが確認された場合は
隣地境界に低い法面の有無を確かめて下さい。
不同沈下の可能性が高いと考えられますので
要注意ですよ!
追伸として
中古住宅を見学に行かれる時は
スケールを持って行く様にお勧めします!
今日のお話は、参考になりましたでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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