2021/10/23
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<住宅診断知識として「床下地盤のひび割れ」>についてお話をします。
今日は
床下地盤のひび割れのお話をします。
ここのブログに於いては
床下地盤のひび割れの定義を
ベタ基礎とか土間コンクリート打ちをしていない
地盤の場合のひび割れを「地割れ」とします。
下記写真①は
布基礎で地盤には
防湿シート敷などの防湿措置は有りません。
その地盤に5.0㎜の地割れが発生しています。
この地割れの延長線上の基礎立上りには
1.80㎜~2.00㎜のひび割れが確認されています。
上記の地割れの場合の原因は
地震と隣地境界線が低い法面です。
下記写真②は
布基礎プラス防水土間コンクリート打ちの基礎です。
鉄筋で
基礎立上りと防水土間コンクリートは
接続をしていないと考えられます。
また
防水土間コンには
メッシュ筋も入っていないか
入っていてもかぶり厚が取れていない為に
最大幅15㎜のひび割れが入ったと考えられます。
上記の場合の原因は
隣の低い敷地に分譲マンションを建設する為に
この建物の境界側に鋼矢板を打ち込んだ振動が
大きな原因と考えられます。
下記写真③は
上記写真②と同じ基礎構造です。
この建物の場合のひび割れの原因は
3m近くの低い法面と地震です。
上記の建物は
床・壁の傾斜が完全に
低い法面へ傾いていて
明らかな不同沈下です。
基礎及び外壁のひび割れも
延長線上に
かぱーっと開いていました。
下記写真④は
新築分譲住宅のベタ基礎面のひび割れです。
ひび割れ幅が最大で0.30㎜でした。
ベタ基礎の場合は
上記の3例とは違い
鉄筋がキチンと入っているので
大きなひび割れになる可能性は
ほぼ無いと考えます。
上記写真のひび割れの原因は
①ベースコンクリートを打った後の養生が悪かったか?
気温が高かった場合は
急激にコンクリートが乾燥するので
ひび割れが入り易くなります。
または
②コンクリートの打設時の転圧が悪かったかので
時間の経過と共にコンクリートが沈下して
鉄筋が入っていない部分が
下がった事によるひび割れなのか?
のどちらかと考えられます。
地盤沈下などが原因によるひび割れとは違い
このひび割れの
処理(補修)をすれば良いと考えます。
今日の纏めとして
床下地盤のひび割れは
床下に入っての検査をしなければ
発見しにくい不具合事象と考えますので
是非
住宅を契約する前には
中古住宅も新築分譲住宅も
床下・小屋裏に入っての検査を含む
「住宅診断」を実施しませんか?
という事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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