2021/11/08
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<壁体内結露と外壁面の藻類発生との因果関係>についてお話をします。
外壁の「藻類又はカビ」が発生する件で
仮説を一つ考えてみました。
最初に
冬の寒い良く晴れた朝
皆さんも見られた経験が有ると思いますが
朝露で光っている外壁サイディング面とか屋根面を
見た事が有りませんか?
朝露は
深夜に放射冷却により冷やされた面が結露した現象です。
この表面の結露が
今回の大元の根源ではないかと考えたのです。
この考えで有れば
北側面を中心とした北西面と北東面は
結露が他の面よりも乾きにくいと考えた場合
妻側面の外壁に限らず
軒先面の外壁にも「藻類又はカビ」が発生する
条件が当てはまります。
気温が低いので
いきなりカビが発生する事は有りません。
この様に
冬の時期に
外壁面の結露が繰り返し発生して
その結露した面に大気中のホコリとか
藻類の胞子が付着する事は否定できませんね!
では
外壁に発生する「藻類又はカビ」が
柱や筋違い、胴差などの構造材が
浮き上がって見えるのは何故なのか?
外壁通気層が無ければ
単純に
柱部分と断熱材部分の熱伝導抵抗の違いが
原因と言えるのですが
しかし
外壁通気層が有るにもかかわらず
何故
柱などが浮き上がって現れるのか?
ここで
もう一つ仮説を考えてみました。
下記二つの
外壁断熱材の施工品質で考えてみたのです。
①外壁断熱材の防湿フィルムが施工不良の場合
②同上の防湿フィルムの施工が良かった場合
で最初に
①の断熱材の防湿フィルムが施工不良の場合
外壁に発生する「藻類又はカビ」は
断熱材の施工不良によって発生する
断熱材の壁体内結露が
そのまま外壁面に現れ
柱や筋違い、胴差などの構造材が浮き上がっている様に
発生したと考えます。
その理由として
防湿フィルムの施工不良で断熱材が湿気を含み
湿気を含む事によって
構造材(柱や胴差)の面よりも熱伝達抵抗が小さくなり
その断熱材の輻射熱
(部屋内からの暖かい熱)が外壁通気層を横断して
サイディング材を暖めたと考えます。
その事で
サイディング材の温度が
構造材(柱や胴差)の面よりも
断熱材の面からの輻射熱で畜熱したと考えます。
でここで
最初にお話した朝露の逆の原理が発生し
深夜に外気が下がる事で
サイディング材の表面が結露すると考えれば
断熱材の面が
構造材(柱や胴差)の部分の面よりも
長時間湿気ている事になり
断熱材の面の
サイディング材自体の含水量が多くなると考えます。
ここで
もう一つの要因が
外壁通気構法の排気口の未設置です。
つまり
断熱材の防湿フィルムの施工不良が原因で
断熱材が湿気った面からの輻射熱が
サイディング材に到達する為には
外壁通気内の空気が流れていたら
断熱材が湿気った面からの輻射熱は
サイディング材まで到達しないと考えられます。
この事から
柱や筋違い、胴差などの構造材が浮き上がる為には
外壁通気構法の排気口の未設置か
または
通気層を塞いでいる施工不良が原因で
外壁通気内の空気が流れにくくしている事が
必要という事になります。
ここでもう一つ
軒先側の外壁面は
外壁通気が小屋裏に逃げる工法になっているが?
この件に関しては
以前のブログにも記載していますが
小屋裏換気機能が何かの原因で落ちていると考えます。
何かの原因とは
例えば
棟換気口の開口面積が小さいとか
天井断熱材などで外壁通気部分を
覆っている場合も実際に起きていました。
つまり
小屋裏内の空気が停滞している為に
外壁通気内の空気が
動かないと考えられませんか?
どうですか?
これで「壁体内結露」と
外壁に発生する「藻類又はカビ」との因果関係が
スッキリしたと思います。
それと
外壁通気構法の未完結も
外壁に発生する「藻類又はカビ」の
重要な要因になる事もハッキリと分かりましたね!
おっと忘れていましたが
②の断熱材の防湿フィルムの施工が良い場合は
断熱材の厚さが
地域区分の合った断熱材の厚さで
基本的には
外壁通気構法がキチンと完結していれば
外壁に「藻類又はカビ」が発生する事は無いと考えます。
ただし
断熱材の防湿フィルムの施工不良の場合は
外壁に「藻類又はカビ」が発生すると考えます。
何か
とてもスッキリしましたが
これはあくまでも
私が考えた仮説なので
皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
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住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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