2021/11/21
「住宅診断」を数多く実施して
不適合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない様に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<敷地を購入する時の注意点②として>についてお話をします。
今まで
「住宅診断」を実施して
住宅の不具合事象を多く目の当たりにした経験を基に
インスペクター目線からの
住宅プラン作成の為の基本的なお話をします。
前回のブログで
<自宅を建てる敷地を購入する時の注意点として>
についてお話をしましたが
今日は
もう一つ注意した方が良い敷地のお話をします。
「住宅診断」を実施した住宅は
確か
築10年だったかな?
この住宅の敷地の現況は
真ん中に道路を挟んで計6区画の
田んぼをミニ開発した
3方が田んぼに囲まれた造成地です。
田んぼは
敷地よりも約1.0m低く
その造成地は
1.0m田んぼを埋め立てた事になります。
全面道路と敷地の境には暗渠が有り
農水路と思われます。
さて
どの様な不具合事象が有ったか想像が付きますか?
普通に考えたら建物の「不同沈下」を
想像すると思いますが
実際に現地に行って見て説明を受けてビックリ!
それが下記写真です。
建物廻りの土間コンが5cm以上下がっていて
基礎の下が空洞になっている様に見えます。
上記の写真を見て
直ぐ原因がお分かりになったと思います。
つまり
田んぼを埋め立てた新しい造成地だから
地盤調査を実施した結果
地盤補強が必要となり
何も考えずに地盤調査業者が言われるがままに
杭打ち補強工事を施工しただけと考えられます。
結果として
建物は沈下しないで
建物の廻りの地盤も含めて沈下したと考えられます。
で
ここの所の対応がどうだったのか?
結果論から言えば
杭打ち工法ではなく
基礎の下に有る軟弱地盤全体を
セメント系固化材を使用して固める地盤改良(表層改良)の
選択肢の方が良かったのか・・・・?
杭打ち補強工事で有っても
建物廻り1m前後までを表層改良の地盤補強をしていれば
建物廻りの土間コンが
この様な不具合は起きなかったのか・・・・?
この建物を
「住宅診断」で床の傾斜を計測した結果
沈下が原因と考えられる
床の傾斜は有りませんでしたので
木杭打ち補強の効果は有ったという事ですね!
であっても
建物廻りの屋外給排水配管全体が
下がっているという事になりますので
地中の見えない箇所で
排水管の不具合が有る
可能性は否定できません!
という事で
今日の本題と言うか纏めとして
地域的な事も有るのかもしれませんが
田んぼを埋め立てたミニ造成地の敷地は
田んぼの表層土を取り除いて
埋め立て工事が
シッカリ転圧しながら施工をしていれば
上記の様な不具合は起こらなかったかもしれませんが
実際の施工状況が分からなければ
出来れば見送った方が良いと考えます。
購入されるのであれば
上記写真の様な不具合を想定した対策と
余分な工事の施工費がかかる事を
事前に想定してから
予備費を取っておいた方が良いです!
でなければ
後から「泣き寝入り」して
「後悔」だけしか有りませんよ!
今日のお話は、お役に立ったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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