2021/11/22
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<「建物状況調査」は『木を見て森を見ず』ですね!>についてお話をします。
既存住宅(中古住宅)の購入を考えている方は
床下・屋根裏に入っての検査と
不具合事象の追及を実施するインスペクターに
インスペクションを依頼して下さいね!
今日は
「建物状況調査」とは
どんなインスペクションなのかをお話します。
では本題に入ります!
過去のブログを読み返していて
住宅のインスペクション業界を
ズバリと言い当てているお話が有りました。
自分でも感心したので (笑)
分かり易くもう一度お話をしてみます。
何に感心したのかと言いますと
『木を見て森を見ず』と言う故事のことわざです!
この意味は
物事の一部や細部に気を取られて
全体を見失う事。
どうですか?
住宅のインスペクション業界を
言い当てているとは思いませんか?
今日は
この事の関連性をお話してみます。
では最初に
「建物状況調査」とは
既存住宅の現況の不具合事象の有無を
調査するインスペクションです。
例えば
何処そこの面の基礎に
0.5㎜以上のひび割れが2箇所有りました。とか
LDKの床に
6/1000以上の傾斜が1か所確認しました。など
を報告書に記載して行くだけです。
たったそれだけです。
この事を
先程のことわざに置き換えれば
基礎に判定基準以上のひび割れが有った「木」が一本
床に判定基準以上の傾斜が有った「木」が一本
木製建具の開閉不具合が有った「木」が一本
サッシの開閉不具合が有った「木」が一本
・
・
・
外壁に判定基準以上のひび割れが「木」が一本
と言う「木」を見ているだけでは
この一本一本の「木」を合わせた「森」が
どの様な大きな不具合を起こしているか?
って事は見えません!
と言うか
それだけでは分かりませんよね!
もしかしたら
本当は
「木」と「木」の関連性を繋ぎ合わせれば
「不同沈下」という重大な不具合が分かったとしても
「建物状況調査」では
「木」と「木」の関連性を繋ぎ合わせて
総合的に判断をする事が求められていません。
これが
国土交通省が満を持して施行した
「既存住宅インスペクション・ガイドライン」に
沿って考えられた「建物状況調査」なのです!
これを象徴的にした書類が
下記A4の書類です。
この上記の書類は
不動産業界の慣習上
既存住宅(中古住宅)の売買契約時に
もし「建物状況調査」を実施していれば
仲介業者が
買主・売主に説明する為のA4の書類1枚を
読み上げながら説明する資料になります。
この書類の中ほどに記載している
例えば
「基礎」の所を見て下さい
劣化事象等が「有」「無」「調査できなかった」の□に
チェックを入れているだけの内容です!
国土交通省は
この書類が有れば
買主側が安心して
既存住宅(中古住宅)を購入できると考えているようです!
今日の纏めとして
『木を見て森を見ず』とは
各部位ごとの不具合事象の有無だけを
報告書に記載する「建物状況調査」の事です。
これだけでは
この建物が本当に患っている不具合は分かりません。
では
「森」を見る為にはどうすれば良いのか?
先ずは
「建物状況調査」では
本当に患っている不具合は分からない事を
認識する事から始めませんか?
例えば
同じ基礎のひび割れであっても
その基礎のひび割れ同士が関連しているのかどうか?
から初めて見ませんか?
今度は
基礎のひび割れと床の傾斜の関連性を考えるのです。
その事を頭に入れて
床下に入っての検査をし
最後にまた
敷地環境(隣地との関係)を確認すれば
「不同沈下」と言う「森」を見る事が出来ると考えています。
如何ですか?
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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