2021/11/26
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<グラスウール断熱材のカビ?として>についてお話をします。
中古住宅の購入を考えている方は
このブログは必読ですよ!
このブログに
何回か書いていますが
床下の断熱欠損(すき間)の手直し項目を
報告書に記載する理由として
床下断熱材のすき間が原因で
すき間部分に結露が発生
その結露が原因で「カビ」が発生し
その「カビ」が部屋内へ知らず知らずの内に侵入して
健康被害をもたらす可能性が有ると書いています。
また
以前の「住宅診断」の報告書の
下記写真②、③の説明では
床下断熱材に結露が発生し
「カビ」が発生しています。と書いています。
で
今回たまたまSNSで
グラスウール断熱材の黒い変色の正体は
「カビ」ではなく「ホコリ」とか「浮遊粒子状物質」と
書いている記事が目に止まったので
?
何?となったので
今日のブログでお話をしてみます。
最初に
日経ホームビルダー2019年8月号の記事についてのお話です。
グラスウール断熱材に
下記写真①の様に黒く変色しているのは何か?
に対しての新事実として
「黒い変色の正体は、大気中の汚染物質や土壌成分を含む浮遊粒子状物質(SPM)が主だった。」
という調査結果が明らかになりました。
この調査を行ったのは
宮城学院女子大学の本間義教授です。
と書いています。
で
この日経ホームビルダーを購読している方?は
この黒い変色の正体は「カビ」ではなく「ホコリ」とか「浮遊粒子状物質」と
事有る毎にSNS等で発信している様に思われます。
しかし
この記事の内容をよく読んでみると
この時の断熱材の状態は
気密性能がいずれも低く、透湿防水シートが施されていなかったので
外気の浮遊物質が躯体などの隙間から壁内に浸入しやすくなり
断熱材に付着したと考えられる。
また
カビの培養分析では
対象住宅の断熱材の黒ずんだ部分を39サンプル採取し
22サンプルではカビは培養できなかった。
ただし
培養できた17サンプルから検出した黒っぽい「カビ」は2種類だった。
最後に
本間教授は、「これらのカビが断熱材を広範囲に黒く変色させたとは考えにくい」
とみている。
と書かれています。
この内容から
何故
『この黒い変色の正体は「カビ」ではなく「ホコリ」とか「浮遊粒子状物質』
となるのでしょうか?
ここから本題に入ります。
下記文章
『この黒い変色の正体は「カビ」ではなく「ホコリ」とか「浮遊粒子状物質」』
に対しての反論として
反論①
本間教授は、「これらのカビが断熱材を広範囲に黒く変色させたとは考えにくい」
と書いているだけで原因は「カビ」ではないとは言い切っていない。
反論②
39のサンプル中17サンプルには「カビ」が存在していた。
と書いているにも拘らず
「カビ」ではないと言い切れるのか?
記事の内容から
この二つが反論出来ますね!
下記写真②、③は
実際に実施した「住宅診断」での
床下のグラスウール断熱材の写真です。
どちらも防湿シートに入っていますが
グラスウールが黒く変色しています。
日経ホームビルダーの記事には
「この時の断熱材の状態は
気密性能がいずれも低く、透湿防水シートが施されていなかったので
外気の浮遊物質が躯体などの隙間から壁内に浸入しやすくなり
断熱材に付着したと考えられる。」
と書いていますが
下記写真②、③のグラスウール断熱材は
防湿シートに入っていても黒く変色しています。
つまり
日経ホームビルダーの記事から考えると
これもやはり
外気の浮遊物質が断熱材に付着した事になるのでしょうか?
②と③の写真を見れば
外気の浮遊物質よりも
断熱材に結露が発生して「カビ」が発生したと言った方が
説明し易いと考えますが・・・・。
皆さんは
どう思われますか?
下記資料は
SNSの記事ですが
「断熱オヤジの独り言」からの転用させて頂いた記事です。
この記事によると
2種類の「カビ」が原因での呼吸器系統の疾患と書いています。
この記事の写真を見ると
黒く変色しているのは
「カビ」という事になりますね!
日経ホームビルダーの記事にも
2種類の「カビ」を検出している事が書いていますので
つまり(たまたまか?)
この2種類の「カビ」が部屋内に侵入した場合は
健康被害が出る可能性が有ると考えるのは
大袈裟では無いと考えます!
皆さんは
どの様に考えますか?
という事で
今日の纏めとして
『この黒い変色の正体は「カビ」ではなく「ホコリ」とか「浮遊粒子状物質」』
ではなくて
「カビ」または「浮遊粒子状物質」の方がより正解なのでは?
Y&Y住宅検査の場合は
住宅に住む方達の健康被害の観点から
注意喚起の意味も込めて
「カビ」で統一します!
今日のお話は、参考になりましたでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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