2021/12/12
「住宅診断」を数多く実施して
不適合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない様に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<ヒートショック予防対策として>についてお話をします。
売り建て分譲住宅や注文住宅で
今からプランなどの打合せをされる方へのご提案です。
高断熱・高気密住宅を考えている方は
キチンと施工をしていれば心配無いと思いますが
そうでない住宅を計画されている方は
ほんの少しだけの追加工事?をお勧めします。
今日のお話は
冬の季節になると良く聞かれると思いますが
「ヒートショック」の予防対策のお話をします。
最初に
「ヒートショック」について簡単に説明しておきます。
毎年
年間死亡数が1万9千人ほどいて
一番多く発症する季節が11月~3月迄の冬場です。
では
「ヒートショック」とは何か?を簡単に説明すると
急激な気温差に身体がさらされることによって
血圧が激しく上下し
めまいや失神・心筋梗塞・脳梗塞などの
健康被害を引き起こすショック症状の事です。
また
「ヒートショック」の起きやすい場所と原因は
暖かいリビングから寒い洗面脱衣所へ行き(血圧が上昇)
そこで服を脱いで
寒い浴室に入り(更に血圧が上昇)
浴槽の中に入ると血管が広がり血圧が低下します。
この時に意識を無くして浴槽で溺死という事も有るそうです。
つまり
「ヒートショック」は血管の急激な収縮や拡張が原因となります。
温度差としては
特に10℃以上有る場合には注意が必要との事です。
その他にも注意事項が有りますが
後は自分で調べてみて下さいね!
と言う様な事で
注意喚起と言う大袈裟な事ではないのですが
今から
住宅を建てるのであれば
ほんの少し下記6項目の追加工事?を実施するだけで
もしかしたら
予防対策になるかな?と考えたのです。
では
大まかな追加工事内容の項目を上げてみます。
①断熱材をキチンと施工要領に沿って設置する
②ユニットバスを高断熱浴槽に変更する
③既製品のキソ点検口を設置する
④ユニットバス・洗面脱衣室を囲う壁上部に気流留めを設置する
⑤洗面脱衣室床面を貫通する給排水管廻りを発泡ウレタンですき間を埋める
⑥洗面脱衣室の壁面と床・天井面との取り合いを気密テープで気密処理をする
上記項目を
それぞれ説明をしてみます。
①の場合は
袋入りグラスウールを想定して説明します。
グラスウールの防湿シート(袋)の耳部分を柱・間柱の見付け面に留める
床との取合い部分も
メーカーの施工要領通り防湿シート(袋)の耳部分を3cm床面に留める
この事で洗面脱衣室気密を保持させます。
補足として
スイッチ・コンセント廻りの気密テープ貼りを怠らない様に貼る事。
②の場合は
ユニットバス自体を保温させる事で
寒暖の温度差を減少させる為です。
下記資料①は
高断熱浴槽の資料として
③の場合は
ユニットバス部分の基礎断熱を完結させる事で
床下の外気を部屋内に入れない為です。
下記写真①は
実際の施工例です。
④の場合は
壁上部を気流留めする事で
ユニットバス・洗面脱衣室のすき間風(漏気)を遮断させる為です。
⑤の場合は
床下の外気が配管廻りのすき間から入る外気(漏気)を遮断させる為です。
⑥の場合は
床面柱廻り等のすき間から入る床下の外気(漏気)を遮断させる為です。
どうでしたか?
ユニットバスを高断熱浴槽に変更する差額と
後は
殆どが手間賃が多少増える位だと思います!
今日の纏めとして
折角
新築住宅に住めたのに
健康を害しては元も子も無くなってしまいます。
なので
この冬場に対応した住宅として
「ヒートショック」の予防対策を考えた時の
施工可能な最低限のお話をしてみました。
もし
予算的に余裕が有れば
高断熱・高気密住宅をお勧めします。
それが困難で有れば
次の目標として
すき間風(漏気)を無くすだけでも
「ヒートショック」の予防対策になると考えますので
C値(住宅に於ける相当隙間面積)を
1.0以下にするだけでも良いと考えます。
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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