2016/10/29
前回、瑕疵保険付き中古住宅において、不安その① 不安その②を記載しました。
私が、瑕疵保険付き中古住宅において最も不安な事は、基礎の立ち上がりのひび割れです。それは何故か?
瑕疵保険に加入する為の条件の一つに、基礎の検査項目に0.5㍉以上のひび割れの有無のチェック項目が有ります。
前回説明しましたが、瑕疵保険加入の為の検査には床下に入っての詳細調査は必要有りません。例えば、外部から基礎のひび割れの測定値が0.4㍉だった場合は瑕疵保険の検査報告書にひび割れ0.5㍉以上は無しとして報告します。
ここが問題なのです!
私の今までの床下詳細調査の経験上、外部で基礎のひび割れが0.4㍉であっても、床下から測定した場合は0.6㍉以上有る事はざらに有ります。
実際は0.6㍉のひび割れが有っても報告書には0.5㍉以上のひび割れが無しとして扱われます。
私は、この事が瑕疵保険の最大の不備と考えています。
インスペクションのひび割れの判断基準であるひび割れが0.5㍉以上とは、瑕疵が存する可能性が高いとされている基準であるにもかかわらず。
もう一つの問題点として
基礎の立上りに0.5㍉以上のひび割れが認められた場合、私が検査員であれば、最低でもエポキシ樹脂注入(費用が高い)の補強処理を指示しますが、極端な話、費用を抑える為にモルタルでひび割れを補修しても瑕疵保険に加入できます。
保険法人として、ひび割れの幅によってのそれぞれの補強処置の基準が無いのです。ビックリしませんか?
※平成28年10月1日より、瑕疵保険の検査等に関する改定が有りました。詳しい内容は次回という事にします。