2021/12/20
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<床下断熱材は費用対効果だけではダメですよ!>についてお話をします。
「住宅診断」を実施する
インスペクター目線でのお話です!
新築分譲住宅の購入を考えている方へ
今日のお話は
下記写真の様な不具合事象の有無をチェックする為に
契約前に
床下・屋根裏に入っての検査を含む
「住宅診断」を入れて検査しませんか?
と言うお話と
今から注文住宅を考えている方には
床下断熱材の仕様をよく考えて下さいね!
と言うお話をします。
上記写真①②の説明として
床下用グラスウールの設置が
何故か中央部分が
弛んで下がっているのが分かると思います。
この状況では
床下合板との取合いに空間が開いているので
床下断熱材の本来の性能が発揮できていません。
では
何故この様に弛んだのでしょうか?
この理由が分かる写真が
下記写真③です。
上記写真③は
床下グラスウール断熱材が弛んで
グラスウールを包んでいた透湿性不織布が
垂れ下がっています。
で
大引きをよく見ると
表面に「カビ」が発生している事が分かります。
また
鋼製束の表面も「サビ」が発生しています。
この事から考えれば
床下グラスウール断熱材が
弛んでしまった原因が連想できますね!
最初は
断熱材をキチンと設置していたはずですから。
つまり
基礎にまだ雨水等が溜まっている状況の中で
または
基礎がまだ濡れている状況の中で
土台敷と断熱材を設置して
厚床合板を打付けたと考える事が出来ます。
この事で
床下に溜まっていた雨水が
蒸発する過程で
床下グラスウール断熱材が湿気を含んでしまい
その自重で弛んで下がったと考えられます。
この床下グラスウール断熱材の弛みは
ほったらかしのままでは
元に戻らないので
床下から
この床下グラスウール断熱材を押し上げて固定するか?
または
押出しポリスチレンフォームの断熱材に
入れ替えるか?の方法しか無いと考えます。
ただし
約800角の押出ポリスチレンフォーム断熱材を
どの様にして床下に入れるか?
という問題も有りますね!
上記写真④は
湿気による弛みではなく
断熱材を設置する時に
足を踏み外して断熱材を
踏んでしまったままと思われる写真ですが
写真①②③の湿気を含んで弛んでいる状況と
違う事が分かると思います。
今日の纏めとして
床下の断熱材を考える場合は
グラウスール系とかロックウール系の断熱材は
費用対効果が良くても
施工管理が難しいのではないか?
と考えてしまいますので
注文住宅等で
今から断熱材の仕様を決められるのであれば
この様にならない断熱材をお勧めします。
という事で
今日のお話は、参考になりましたでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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