2021/12/27
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない様に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<断熱材の効果を発揮させる為には「気流止め」を忘れずに!>についてお話をします。
注文住宅を依頼されている方とか
売り建て住宅を契約された方へ
今日のお話は
断熱材工事に於いて
断熱材の効果を発揮させる「気流止め」の施工が
大変重要ですよ!と言うお話をします。
さっそく本題に入ります。
何故
「気流止め」が必要なのかを説明します。
その事を
気流はどの様に住宅の中で発生するのか?
に置き換えて説明した方が分かり易いと思いますので
その説明をします。
①小屋裏で暖められた空気が棟換気から排出されます。
その結果
②小屋裏空間の気圧が低下します。
小屋裏空間の低下した気圧が外気と同じ気圧に戻ろうとして
③軒裏などの換気口から外気を取り入れます。
ここで
室内の気密性能が確保されていないと
室内のすき間から③と同じ原理で
④壁の中の空気が小屋裏に空気が吸い込まれます。
⑤壁の中の気圧も低下してしまいます。
壁の中の気圧が外気と同じ気圧に戻ろうとして
⑥様々なすき間から
室内の空気・湿気が壁の中に取り込まれてしまいます。
特に
⑦床下や壁の取合いからも空気が取り込まれてしまうと
断熱効果の大きな妨げになるのです。
この様に
⑧壁の中で気流が発生すると
断熱材の中を常に空気が流れる様になります。 ☜ だから「気流止め」
⑨空気を動かない状態に保てず
断熱材の性能が発揮できなくなるのです。
折角
断熱施工をしていても
室内を暖かく保てないだけでなく
壁内結露の発生にも繋がる危険性が有ります。
上記内容から
「気流止め」が無い場合は
断熱材の効果が下がる事は理解できましたか?
という事で
「気流止め」の必要性・重要性が
お分かりになったでしょうか?
下記写真①②が
「気流止め」が無い実例写真です。
しかし
殆どの場合は
下記写真③の様に
間仕切り部分が隠れていて確認は出来ませんが
チラッと「気流止め」が入っていない事が
分かる場合も有ります。
因みに
「住宅診断」の時には
天井断熱材を動かしてまでは確認しません。
という事で
今日の纏めとして
この「気流止め」は
フラット35の「省エネタイプ」の融資条件にもなっていますが
省令準耐火構造の「ファイヤーストップ」の様に
必須条件にはなっていません!
しかし
2030年に向けて
高断熱高気密住宅になって行けば
気密性能を確保する為には
「気流止め」は必須施工項目になります。
また
既存住宅(中古住宅)を購入して
または自宅の
断熱改修リフォーム工事をされる時は
この「気流止め」も忘れない様に!
今日のお話は、参考になりましたでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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