2021/12/30
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<基礎貫通配管部分のすき間処理として>についてお話をします。
新築分譲住宅の購入を考えている方へ
今日のお話は
基礎のコンクリートを貫通する給排水パイプの
配管に関する不具合事象のお話をします。
この建物の「住宅診断」結果は
今からお話する不具合事象以外は
上ランクの仕上がり具合でした。
下記写真①②③は
同じ個所を外部と床下から撮った写真で
エコキュートの
ヒートポンプの給水・給湯配管等の写真です。
では
何が不具合なのかを説明します。
上記写真①は
まだヒートポンプが据わっていない時に
基礎のモルタル仕上げが施工された為
パイプ自体は
まだ地面に垂れていたと考えられます。
で
ヒートポンプを設置する特に
パイプを持ち上げて接続した為に
パイプの下側に隙間が出来たと考えられます。
ヒートポンプが
基礎から15cmくらいしか離れていないので
パイプ下端のすき間の状態を確認する事が出来ませんでした。
上記写真②は
床下に入ってから同じ個所を撮った写真です。
穴の奥に
チラッとモルタルが見えています。
上記写真③は
近づいて撮った写真です。
この写真を見れば一目瞭然で
キチンと穴を塞いでいない事が分かります。
何が不具合事象なのか?
それは
シロアリ侵入防止策が取られていないと判断します。
外部写真でも分かる様に
ヒートポンプと接続する為に
パイプを持ち上げてすき間が出来た状態です。
床下から撮った写真には
モルタルで塞いでいる様に見えますが
パイプ同士の間に隙間が有ると考えられ事と
ホウ酸入りシーリングとかホウ酸入り粘土で
キチンと塞いでいませんので
手直し不具合事象になります。
他の建物の実例として
下記写真④が
パイプを塞いでいる
適正施工の写真になります。
どうですか?
適性施工の写真を見れば
上記写真①~③の施工では
不具合事象になる事がお分かりかと思います。
上記写真④は
パイプ廻りの防蟻施工は良かったのですが
水抜き穴まではホウ酸入りシールをしていません。
何故かと言うと
パイプ廻りの方は
設備業者の考えで施工したからだと考えられます。
つまり
現場監督が
防蟻対策に対する知識が無いという事です。
ただし
この不具合事象は
建築基準法違反でもないし
フラット35の仕様書には
配管廻りのすき間を
防蟻性のある材料で充填する様に書かれていますが
必須項目にはなっていません。
しかし
工務店側の姿勢として
防蟻性のある材料で充填する事を
工務店の標準にするべき項目と考えます。
という事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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