2022/01/10
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない様に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<2030年に向けての注文住宅設計仕様!>についてお話をします。
今日のお話は
注文住宅を考えている方で
まだ間に合うのでしたら
最低でも下記の仕様で住宅を建てませんか?
と言うお話です。
高断熱・高気密住宅を専門に設計・施工している
設計事務所・工務店から見れば
幼稚な事を・・・・と思われるかもしれませんが (笑)
2030年に向けて
Y&Y住宅検査が
新築分譲住宅の「住宅診断」を通して
最低限「泣き寝入り」しない為の
注文住宅の設計仕様を纏めてみました。
①耐震構造に関して
熊本地震で指摘された耐震等級3が
16棟中14棟が無被害でという事が
調査で分かっています。
下記資料①を見て下さい!
上記資料①からも分かる様に
耐震等級3は
住宅を建てるに当たって
一番重要と考えて欲しいと思います。
耐震等級3でも色々有りますが
許容応力度計算の耐震等級3です。
Y&Y住宅検査では
この許容応力度計算の耐震等級3をお勧めしています。
構造計算費用は
規模によって違うけど
15万円~20万円程度かな?
耐震等級3にする事によって
工事費用の増額は
基礎の鉄筋量の増量と耐震壁の増量で
坪当たり計算で1万円前後で出来ると考えますが
ただ
ウッドショックに関連して木材費が高騰していますので
その割合的に多少アップしているかも?
木材費を抑える方法として
梁の両端を必ず柱で支える事!
この事を基本に考えてプランをして行きます!
この事は
床の下がりを減少させる為にも重要です。
構造計算で梁の許容応力を計算していても
梁の両端を支える柱がない場合は
床が下がる原因にもなりますので要注意ですよ!
それと
熊本地震の調査結果でも内容が出ていますが
柱の直下率と耐力壁の直下率の割合が低い場合で
耐震等級2の建物が倒壊した事から
この直下率の重要性が浮かび上がって来ています。
直下率の数値目標は
Y&Y住宅検査に於いては
柱の直下率は60%以上
耐力壁(筋交い)の直下率が50%以上と考えていますが
外壁の断熱・気密性能を考えた場合
外壁面にダイライト等の
構造合板類で施工すると思います。
その場合は
間仕切壁部分に入れた筋交いだけの直下率を考えるのは
難しいだろうから
柱の直下率60%は
絶対に確保する数値目標と考えています!
②断熱性能に関して
以前のブログ<待った無し!2030年問題として>
https://www.yandykensa.com/blog/11511
にも書いていますが
2050年の前段階で
2030年までにZEH基準を義務化する事になりそうです。
つまり
ZEH基準のUa値0.60以下が義務化になるのです!
今現在
国土交通省が考えている住宅性能表示制度で(6地域)
断熱等級5をUa値0.60(パブリックコメント済)
断熱等級6をUa値0.46
断熱等級7をUa値0.26
までを考えているようです。
下記資料②を参照してみて下さい!
当面は
Y&Y住宅検査では
断熱等級5(ZEH基準)のUa値0.60以下を
数値目標と考えています。
③気密性能に関して
折角
断熱性能をZEH基準以上に上げても
気密性能が取れていなければ
室内にすき間風が入り
断熱性能を発揮させる事が出来ません。
例えば
冬期に室内が暖かくなったからと言って
エアコンを切ってしまえば
すき間から外気の冷たい空気が入って来て
室内の暖かい温度が持続せずに
時間と共に室温が下がって来ます。
室温を長時間保たせる為には
すき間風をシャットアウトさせる事が必要です。
その為に
気密性能を上げる事が必要になります。
高気密性能が有って初めて断熱性能が発揮できるのです。
つまり
断熱性能と気密性能の両輪が有って初めて
省エネ(高性能)住宅になるのです。
断熱と気密はセットで考えなければならないのです!
気密性能の目標は
Y&Y住宅検査に於いては
C値(相当隙間面積)を1.0以下を考えています。
換気計画を考えた場合は
C値を0.5以下にした方が良いですね!
C値を確認する為には
気密測定を実施する事が必要です。
気密測定を実施する時期として
気密シートを張り終えた時点と
完成した時に測定します。
施工費用に関しては
この2回の測定費用は
10万円~15万円かかりますが
必ず気密測定は実施すべきです!
また
気密シート張りなどの材料・手間が
15万円~20万円くらい別途かかります!
④換気計画に関して
建築基準法で
シックハウス症候群の原因となる
ホルムアルデヒドの発散を防ぐ為に
建物の居室には
24時間換気が義務付けられています。
24時間換気で満たすべき室内の換気回数が
住宅の居室の場合は0.5回 / 1時間 が 決められています。
1時間当たり室内の気積を0.5回以上を換気させる
換気扇の性能が必要という事になります。
下記資料③は
基本的な24時間換気計画の事例です。
上記資料③は
第三種の機械換気設備になりますが
機械換気設備には
他に第一種・第二種の機械換気設備が有り
また
機械換気設備の他にも有りますが
その説明はまたの機会に回します。
Y&Y住宅検査に於いては
費用的な事と計画的に換気する事を考えて
ダクト式の第三種換気設備を考えています。
⑤耐久性に関して
案外
軽視されがちにされていますが
実は
大変重要な住宅造りの一画です。
では耐久性とは何か?から説明します。
例えば
耐震等級3の地震に強い住宅を建てたとしても
その骨組み(柱や梁や土台など)が
結露などが原因で腐朽していたり
土台や柱が
シロアリ被害に遭っていた場合
大きな地震が来た時に
住宅が倒壊する可能性が大変高くなってしまいます。
ゆえに
壁体内を結露させない為には
気密性能以外には
外壁通気構法を完結させる事が必須になり
小屋裏に結露させない為には
小屋裏換気をシッカリ実施して
小屋裏内の暖気を屋外に排出させる事が必須になります。
また
シロアリ被害を受けない為には
防蟻処理が必須ですが
防蟻処理に関しては
以前のブログの
<防蟻処理剤をよく考えて見ませんか?>
https://www.yandykensa.com/blog/11830
を参照にしてみて下さい。
Y&Y住宅検査に於いては
天然鉱物であるホウ酸処理を考えています。
⑥屋根形状に関して
ZEHにする為の準備として
太陽子発電設備を載せる為に
出来るだけ南側に載せれるような屋根形状も
考える事が必要ですね!
という事で
大変長くなりましたが
Y&Y住宅検査が考えている
注文住宅の設計仕様です!
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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