2022/01/14
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<冬場のヒートショック対策の為には?>についてお話をします。
今日のお話は
床下断熱仕様の住宅プランで
ユニットバス及び洗面脱衣室における
ヒートショックを和らげる
施工方法についてのお話をしてみます。
最初に
ヒートショックとは何か?
気温の変化によって血圧が上下し
心臓や血管の疾患が起こる事を言います。
疾患とは
この血圧が乱高下に伴って
脳内出血や心筋梗塞、脳梗塞などの病気が起こります。
データによると
交通事故による死亡者数よりも多い数字が出ています。
ヒートショックは
冬場に暖房の効いたリビングから脱衣室に移動し
浴槽に入る時などに起こります。
少し詳しく説明しますと
リビングから脱衣室に移動した際には
寒さに対応する為に血圧が上昇します。
脱衣室で衣服を脱ぎ浴室へ入ると更に血圧は上昇します。
その後
浴槽に入ると
急に身体が温まる為に血圧が下降します。
特に10℃以上の温度差が有る場所は危険とされており
注意が必要です。
ヒートショックの予防するポイントで
この床下断熱仕様の住宅の場合
洗面脱衣室とリビングの温度の差が出来るだけ無い様に
つまり
寒くさせない施工方法を考えなければなりません。
その為には
ユニットバス・洗面脱衣室の室内に
外気のすき間風を入れない事が大切と考えます。
その事を
下記の図面及び写真で順に説明して行きます。
上記図面①は
よく見られる浴室と洗面脱衣室のプランです。
このプランで説明して行きます。
上記図面②は
浴室(ユニットバス)部分を
基礎断熱で区画した図面です。
しかし
「住宅診断」で検査した場合
下記写真①の様にユニットバス点検部分には
基礎断熱材が入っていない断熱欠損が多く確認されます。
この断熱欠損は
ユニットバスを外気に曝している事と同じ事で
ユニットバスの室温が
外気温に近い温度になっている可能性が考えられます。
この断熱欠損が
ヒートショックの原因の一つと考えられます。
で
断熱欠損と言う不具合事象を減少させる事と
室温の温度差を考えた場合
下記図面③の様に
浴室と洗面脱衣室を完全に一つの区画にして
基礎断熱の施工をすれば良いと考えます。
この時には人通口を設けずに
基礎立上りで囲ってしまいます。
この基礎断熱の施工方法で有れば
床断熱材を貫通する給排水管廻りのすき間を
塞ぐ手間も省く事が出来ますし
床下からの外気(すき間風)が入らないので
リビングとの室温の差が開きにくいと考えます。
細かく言えば
洗面脱衣室の柱廻りとかコンセント類などの
気密テープ処理なども必要ですけどね!
どうですか?
浴室・洗面脱衣室に限らずに
建物全体の省エネ効率を考えて
ヒートショック対策を考えた場合
床下断熱工法ではなく
基礎断熱工法で施工した
高断熱・高気密住宅の建物プラス
床下エアコンで暖房するシステムをお勧めします。
注文住宅を考えている方は
2030年のZEH基準以上の省エネに対応出来る
このシステムの採用を
検討してみては如何でしょうか?
という事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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