2022/01/29
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<新耐震基準以降の基礎に鉄筋が入っているか?>についてお話をします。
今日のお話は
木造2階建ての
既存住宅(中古住宅)の購入を考えている方で
耐震基準が2000年以前の住宅を購入する場合は
基礎鉄筋の有無の検査をされた方が良いですよ!
と言うお話をします。
基礎の鉄筋について
簡単な時代背景を説明してみます。
最初に動き出したのは
当時の住宅金融公庫で
1980年(昭和55年)に基礎鉄筋を指定し始めました。
1981年(昭和56年)新耐震基準が出来てからは
設計者の曖昧な判断任せの鉄筋配筋で
何の規定・基準は有りませんでした。
で
耐震基準の2000年基準(平成12年)に初めて
建築基準法として
鉄筋コンクリート基礎が法令化されたのです。
建設省告示第1347号(平成12年5月23日)の
「建築物の基礎の構造方法及び構造計算の基準を定める件」
何か信じられない気持ちですね!
と言う事で
2000年基準以前の住宅には
基礎鉄筋が入っていない無筋又は無筋に近い住宅が
存在する事が有ります。
下記写真①の様な
基礎のひび割れ幅が広い場合は
無筋又は無筋に近い基礎のひび割れの入り方ですので
ある程度の鉄筋有無が判断できます。
しかし
どの程度の鉄筋が入っているかの確認は
鉄筋探査機を使用した検査をお勧めします!
下記写真②は
基礎の鉄筋を探査する機器です。
この鉄筋探査機では
鉄筋のかぶり厚さも分かりますので
新築住宅の基礎配筋調査にも重宝します。
下記写真③は
配筋ピッチを実際に調査した時の写真です。
で
上記写真③の様に
鉄筋の配筋されている事が分かれば
一先ずは安心です。
しかし
下記写真④の様な
1.0㎜以上のひび割れが数箇所確認され
基礎の構造が布基礎で無筋だった場合で
床の傾斜が
判定基準の6/1000前後の数値が有り
不同沈下と判断された場合は
購入を控えておいた方が良いと思われます。
何故ならば
例え耐震診断を実施して
耐震補強をしたとしても
基礎の補強をする為には
高額な費用がかかるからです。
例えば
大きな費用をかけて
耐震改修工事を実施したとして
この建物に
何年住み続ける予定なのか?
その間は
この建物が持ちこたえるのか?
という事も重要な判断基準ですので
無理を避けた方が良いですね!
どちらにしても
無筋又は無筋に近い基礎の建物は
完全なフルリノベを実施して
基礎補強からシッカリと施工しない限りは
購入は控えた方が無難と考えます。
と言う事で
今日のお話は、参考になったのでしょうか?
今回は、これで終わります。
◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊
「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊