2022/02/16
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<もしもの為にも「住宅診断」のデータは必要!>についてお話をします。
住宅の購入時には
是非「住宅診断」は実施された方が良いですよ!
という事で
今日のお話は
契約時の不具合事象の有無の事では無くて
電話相談で有った
建物の傾斜に関するお話をしてみます。
電話相談のご依頼者様が
新築分譲住宅を購入して約4年が過ぎた頃に
隣の敷地で境界線から5~6m離れた所で
分譲マンションを建設する為に
鋼矢板を打ち込む工事が有ったとの事。
その工事中に
家が相当振動が有ったそうです。
と言うお話から
床の傾斜を計測する事になったのです。
因みに
そのマンションは既に完成済で完売していました。
で
実際に
床の傾斜を計測に行ったのは良かったのですが
1階床の傾斜計測ができるスペースが取れなかったので
取り敢えずは
2階床の傾斜計測を実施して見ました。
まぁ
2階床の計測ですから
1階床を計測するよりは
余り当てにはなりませんでしたが
計測結果は
鋼矢板を打った工事側に床が傾斜していました。
と言っても
あくまでも2階床だったのですが
最大2.3/1000の数値でした。
依頼者様に
1階床の傾斜計測を実施して見ないと
ハッキリと結論が出ませんとお伝えし
結局
4か月後に1階床の傾斜計測を実施して来ました。
計測結果は
やはり2階の床の計測結果と同じ傾斜傾向が有り
結果として
2階床と同じ最大2.3/1000の数値でした。
1階6帖洋室の対角線での高低差が9㎜で
6帖と言う空間での
高低差9㎜は感覚的にも大きな傾斜です。
傾斜数値が2.2/1000なので
この傾斜数値だけを見れば大した事ではないと思われますが
築2,30年の既存住宅(中古住宅)ではないのです。
一般的に
新築分譲住宅の1階の床の傾斜で言えば
2㎜の高低差でも有ったら大変と思うくらいなのです。
杭補強をしている住宅で考えると
築7,8年でなる様な傾斜としては
大変考えにくい傾斜と判断しています。
で因みに
建物の廻りに打っている土間コンクリートと基礎との取合いには
約2ミリほど開きが開いていて
建物が鋼矢板を打った工事現場の方へ傾いている事が
この事からも分かります。
果たして
ご依頼者様はどの様にされるのでしょうか?
マンション建設と家の傾きの因果関係を
証明できるのか・・・・?
床の傾斜が6/1000以上ではないので
建設会社が対応してくれるのか?
もし
契約時または契約直後に
「住宅診断」で
床の傾斜計測を実施していたら
今回計測した床の傾斜と比較できるので
マンションを建設する会社との交渉が
やり易すかったのではないでしょうか?
今日の纏めとして
新築分譲住宅を購入時には
もしもの為にも
是非
「住宅診断」を実施して
その報告書を保存する事をお勧めします。
という事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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