2022/03/06
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<「住宅診断」と「耐震診断」は全然違う診断ですよ!>についてお話をします。
今日のお話は
「住宅診断」後に
「耐震診断」を実施して耐震補強工事と共に
和室部分を洋室にリフォーム工事をされた
既存住宅のお話をします。
ご依頼者様は
既に
この既存住宅を契約された後に
この「住宅診断」を実施したのですが
1階の間取りは
LDKと和室続き間と広縁
それと水廻りと廊下・玄関という間取りで
LDKの床の最大傾斜が6/1000有り
広縁の床の最大傾斜は4/1000有りました。
和室続き間の場合は
床がタタミなので傾斜計測はしていませんが
柱の傾斜が
下記写真①、②の様に
5/1000前後の傾斜を確認しました。
この建物の傾斜傾向は
2方向に傾斜している事が分かりました。
建物4隅の内
一つの出隅方向に傾斜しているのです。
因みに
基礎の0.5㎜以上のひび割れも
数か所確認していましたので
それも一緒に報告書の説明時に説明しました。
この不同沈下の原因は
隣地境界線の現況から推測してみると
田んぼを埋め立てた敷地と言うことが分かりました。
この事が原因と考えられますね!
「住宅診断」の直ぐ後に
「耐震診断」の調査が入ったとの事。
で
「住宅診断」の報告書の説明時には
既に耐震診断の報告書が
ご依頼者の手元に有ったので見せて頂きました。
見せて頂いて驚いた事は
床の傾斜が3/1000以下になっていたのです。
基礎のひび割れに関しては
基礎の劣化として「耐震診断」に於いては
基礎の劣化状態による係数を入れての計算なので
基礎のひび割れ幅とか箇所数は見当たりませんでした。
報告が終わって帰る時に
ご依頼主様にお伝えした事は
和室の柱の傾斜から見ても
建物全体の床の傾斜が大きいので
床の傾斜をキチンと直して貰って下さいね!
と伝えました。
そしたら
耐震補強工事を依頼しているから
リフォーム業者の方へ
お願いして見ますとの事でした。
その後
どの様にされたか分かりません・・・・。
リフォーム工事は
予算的に大変厳しいと言っていたので
1階の床全体を取っ払って
せめて床下の構造材からやり直していれば
少しは良いのですがね!
それでも
2階の床はそのままで
和室の柱・壁の傾斜もそのままでしょうね?
今回の場合で気になる事は
「耐震診断」を実施した報告書の写真から
床の傾斜計測は
1.5m位のデジタル水平器での
簡易的な計測でした。
もし
「住宅診断」を実施して
床の傾斜が大きい事を伝えていなかったら
リフォーム工事業者は
現状の床下構造下地のままで
床の傾斜なりに床を仕上げたと思われます。
エンドユーザーの方は
「耐震診断」を実施する事と
劣化事象を調査する「住宅診断」は
同じ調査をすると考えている方が
今でも大変多いですね!
だから
「耐震診断」を実施して耐震補強工事をするのだから
「住宅診断」を実施しる必要が無いと考えています。
この事は
既存住宅の仲介業者の方も
同じ様な事を言っている人がいますので
困ったものですね!
今日の纏めとして
「耐震診断」は
建物の耐震性を調査する事です。
「住宅診断」は
建物の劣化状況から不具合事象を
目視の範囲で原因追及迄を調査します。
この二つの診断は
全く違うものですよ!
という事で
今日のお話は、参考になりましたでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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