2022/03/16
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<和室続き間が有る既存住宅の購入は要注意ですよ!>についてお話をします。
今日のお話は
既存住宅(中古住宅)の
床の傾斜計測についてのお話をします。
今迄のブログで
Y&Y住宅検査が提唱する計測箇所(点)で
床・壁の傾斜計測を実施すれば
自ずと
その建物の傾斜傾向が分かります。
それと
1階に和室の続き間がある場合は
下記写真①の手作り道具に取り付けた
デジタル水平器を
下記写真②の様に応用する事で
ある程度は
傾斜傾向が分かる事を
以前のブログに記載しています。
上記写真①は
5年ほど前に考案した道具で
壁の傾斜が「への字」になっていても
計測点間距離2mの2点で
キチンと正確に壁の傾斜が計測出来ます。
上記写真②は
壁で使用していた
計測補助機に取り付けたデジタル水平器で
床のタタミ縁の凹凸に影響されずに
2m間の距離で
タタミ床の傾斜計測が出来ます。
タタミの上を
レーザーレベルで計測するよりも
傾斜傾向が良く分かります。
つまり
この事で何を伝えたいかと言うと
1階の居室面積の内
半分以上が和室続き間で有った場合
1階床全体の傾斜傾向を
判断する事が大変し辛い事になります。
この様な間取りの場合は
2階の床の傾斜傾向と
1階和室続き間以外のDKの床の傾斜傾向だけで
「不同沈下」の原因を追究する事は
普通に考えて
大変困難と言うか追究が出来ないと考えます。
因みに
押入や掃出しの内障子の敷居部分を
計測する場合も考えられます。
が
床全体の傾斜傾向を知る為に計測する
和室のかどかど部分及び中央部分を
計測する事は出来ません。
であっても
既存住宅瑕疵保険加入の為の
適合検査の検査項目に
和室の傾斜計測に
敷居を計測する様になっている
瑕疵保険法人も有りますが
基本的には
和室の場合は
床の傾斜計測はしなくても良い事になっています。
なので
Y&Y住宅検査の場合は
上記写真の様な補助器具を駆使して
建物全体の傾斜傾向を把握する事を考えています。
しかし
他のインスペクション業者は
インスペクションで
建物全体の傾斜傾向を導き出す事は考えていないので
よく計測したとしても
敷居部分を計測するぐらいでしょうね!
何故ならば
国土交通省が策定した
「既存住宅インスペクション・ガイドライン」には
建物全体の傾斜傾向を
導き出す事までは記載されていませんから!(笑)
今日の纏めとして
最近の新築分譲住宅等の間取りには
和室の続き間が有る建物は
ほぼゼロパーセントですね!
という事で
上記内容の問題は
既存住宅だけの問題になります。
既存住宅瑕疵保険加入の為の適合検査で
1階の居室の間取りが
和室続き間と床がクッションフロアーのDKだけの場合
1階の床の傾斜計測は
クッションフロアー仕上げのDKの床の傾斜のみで
傾斜判断をする事が殆どになります。
もし
この間取りで
1階2階の床の傾斜が6/1000未満で
その他に問題がなければ
既存住宅瑕疵保険に加入が出来ます。
これでは
実際に「不同沈下」が有ったとしても
表の検査方法では
「構造耐力上主要な部分」及び
「雨水の浸入を防止する部分」に
問題が無かったという事で
既存住宅瑕疵保険に加入が出来て
付保証明書が付保されます。
この事から分かる事は
買取再販業者の既存住宅で
この間取りと同じ(和室の続き間が有る)建物で有った場合
本当に
既存住宅瑕疵保険が付保される建物ですよ!
って言う事を言葉通りに受け取って
安心・安全な既存住宅と考える事が出来ますか?
答えは「ノー」ですね!
と言う事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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