2022/03/26
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<吹抜けを設けた分譲住宅プランは如何ですか?>についてお話をします。
注文住宅を依頼する時は
高断熱・高気密住宅で有れば
吹抜けの有るプランが良いかも・・・・!
と言うお話をしてみます。
今日のお話は
冬至の時の1階LDKの採光がどうなるのか?
新しく作成した新築分譲住宅のプランで確認して見ました。
条件としては
南側に隣の家が有ると考えて
1階の南側及び南東のサッシを付けないで
シミュレーションをしてみました。
上記資料①は
2階の南東角に吹抜けを設けて
サッシを南側に取り付けた場合のプランです。
上記資料②は
冬至の日の12時の時のLDKの採光シミュレーションです。
赤い色の所は
日射が入っていて約15300㏓有りました。
上記資料③は
吹き抜け部分のサッシを取った(遮光した)場合の
冬至の日の12時の時のLDKの採光シミュレーションです。
黄色の所は
約250㏓しか有りませんでした。
この事から考えて
冬至前後の時期のLDKの採光を考えて見ると
南側に家が建っている場合は
1階のサッシからは日が入る可能性は殆ど有りません。
この様な場合の解決策として
南側に吹抜けを設けてFIXサッシを取付ける事で
上記資料②の様に
採光が採れるようになります。
勿論
南側の建物の形状や隣棟間隔で
条件で変わって来ますが・・・・。
少なくとも
南東角に吹抜けを設けてサッシを南側に設置する事は
シミュレーションを見る限りは
大変有効と考えます。
また
この採光シミュレーションを実施する事で
2階クローゼットの設置位置の良し悪しもチェックできます。
時間が有る時には
この様なシミュレーションを検討するのも面白いですね!
下記資料④は
いつもの様に
耐震等級3相当の壁量で
柱・耐力壁の直下率を計算してみました。
今回の分譲住宅の場合
柱の直下率が79.59%
耐力壁の直下率が何と85%も有りました!
プランを考える時に
常に「柱・耐力壁の直下率」と「構造区画」を考えながら
プランをして行くと
下記の様に良い数値が出る事が増えて来ます!
ただし
このプランの場合は
LDKに3尺の壁1枚が離れ小島状態になっています。
この壁の中の柱は
絶対に取れない重要な柱ですので
これを違和感の無い様な感じで平面図を仕上げなくてはなりません!
6帖の空間が取れているので
違和感は無いと思いますけど! ☜ 希望的で自分勝手な考えですね!(笑)
今日の纏めとして
南東角に限らず
南面に吹抜けとサッシを設ける事で
LDKの奥まで採光が採れます。
省エネ4等級の住宅であっても
高気密住宅の仕様にし
気密測定を必ず実施して
C値を1.0以下(理想は0.5未満)にすれば
吹抜けのデメリットは減少させる事が出来ます。
という事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊
「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊