2022/04/10
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<新築分譲住宅の床傾斜検証②>についてお話をします。
今日のお話は
2棟目の新築分譲住宅の
床の傾斜と「構造区画」「柱の直下率」
についてのお話をします。
下記資料①は
柱などの直下率の表です。
見ての通り「柱の直下率」は44.0%です。
目標の60%よりは低いですが
分譲住宅で考えた場合は
普通の数値なのかな?
最後で説明しますが
「構造区画」に関して一か所「難」?が有りますが
ほぼ総2階に近い住宅です。
下記資料②は
1階床の傾斜チェック図面です。
LDKの床計測結果は
3㎜以内で納まっていて新築住宅らしい
文句の付けようが無い計測結果です。
下記資料③は
2階床の傾斜チェック図面です。
廊下・各部屋の床計測結果は
3㎜以内で納まっていますので
1階と同じ様に文句の付けようが無い計測結果です。
下記資料④は
1階平面図と2階平面図を重ねた図面です。
この図面を見ますと
スパン①はキチンと基本通り柱で支えていますが
「構造区画」の基本と考えている
梁の両端を柱で支える事を
スパン②の場合は出来ていません。
しかし
推測になりますが
スパン①の梁高さは
スパン②の梁を支えなければならないので
大きな梁でシッカリと支えていると推測できます。
何故ならば
スパン①廻りの床の計測値が
1㎜範囲内で納まっているからです。
一般的に多いのは
この様な梁組みの場合は
Tの字部分の床が下がっている事が有りますが
この場合は下がっていないからです。
「柱の直下率」が少し低いのは
このTの字部分通りの柱が
「柱の直下率」を下げていると思われます。
検証結果としては
2階床の傾斜から判断しますと
Tの字部分のスパン①の梁が
今後
年数が経って下がって来るかどうかは分かりませんが
今の現況は問題は無しという事になります。
もう一箇所
2階のクローゼットが有るY方向の梁の片方の下に
柱が無い箇所が有ります。
この場合は
LDKは入口の片引きを開き戸に変える等の工夫が欲しい所ですね!
耐震性の事を考えた場合は
「構造区画」の基本は守って行く事をお勧めしますが
この様なTの字部分はプランを作成上
どうしても出て来ます!
このプランの場合は
キッチン前面の腰壁に柱を1本建てると
「構造区画」においては良いと考えます。
ただ単に
1本柱を建てるだけでは違和感が有りますので
小壁を造ってニッチを設ける事などを提案すれば
良いのではないでしょうか?
という事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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