2022/06/26
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<耐久性能を維持する為には?>についてお話をします。
今日のお話は
住宅の「耐久性能」のお話をします。
ここで上げるのは
防蟻処理とか柱の径とかのお話ではなく
このブログに何回もアップしている中の一つの
「耐久性能」に不可欠な外壁通気構法について
おさらいを兼ねてお話をします。
本題に入ります。
サイディング下地に通気胴縁を使用するのではなく
通気金具を使用して通気の方向性を気にせずに施工できる
通気金具工法が増えています。
で
妻側外壁の通気出口換気口金物を
外部出さない施工方法を考えるのであれば
下記資料①の商品を使用すれば可能です。
この「カバープレートⅡ」を
妻側(ケラバ側)外壁面に使用する場合に必須なのが
最初に記載した通気金具工法なのです。
ただし
どちらかと言うとお勧めでは有りません。
何故ならば
この工法は外壁通気の逃げ道が小屋裏になります。
元々の小屋裏換気計算は
あくまでも
小屋裏の気積(空気)量の換気のみを考えた
(実際は小屋裏の面積でしか考えていない)
棟換気の排気口金物の大きさになっています。
その棟換気に
妻側(ケラバ側)の外壁通気を小屋裏に入れて
外部に逃がそうとしている訳です。
普通に考えれば
棟換気の排気口性能以上の空気が
小屋裏に入って来れますかね?
小屋裏の気積(空気)だけの排気口面積なので
外壁通気の空気は
外壁通気層内に滞留する可能性が大変大きくなると想像できます!
であれば
空気が滞るのであれば
何かの不具合事象を発生させる要因になりませんか?
この不具合事象とは
結露が発生する事です。
通気胴縁を使用していないので
木材が腐朽する事は無いでしょうが
この結露は
人の病気で例えるなら
万病の元である「カゼ」と一緒です。
もし
外壁下地の防水透湿シートにすき間が有った場合は
その隙間から断熱材に湿気が伝わり
カビを発生させる要因にもなってしまいます。
という事から
この「カバープレートⅡ」を採用する場合は
棟換気の長さを棟全長の長さにする事をお勧めします。
では他の方法は無いのか?
軒ゼロであればデザイン的にも
何も考える事が無い商品が有ります。
その商品は下記商品②になります。
上記商品②は
トーコーと言うメーカーで
商品名は「軒ゼロ妻側通気見切り」です。
この商品を使用される事をお勧めします。
今でも
妻側(ケラバ側)外壁通気に関しては
何もしなくても
外壁通気が外部に逃げると
考えている設計担当者の方がいますが
ここで声を大にして言いたいのは
たまたま
何処かのすき間から外壁通気が逃げたとしても
微々たる量と考えます。
であるなら
キチンと外壁通気の排気口金物を設置して
壁内結露と言う不具合事象を発生させない様にしませんか?
という事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これでお終い!
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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