2022/06/27
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<耐久性能の劣化事象の元は「結露」>についてお話をします。
注文住宅を今から計画される方は
人間で考えた場合
「カゼ」は万病の元とよく聞くと思いますが
住宅の「耐久性能」を考えた場合の
万病(劣化事象)の元とは何か?と言えば
それは「結露」です!
今日のお話は
前回に続いて
住宅の「耐久性能」に必要な工法のお話をします。
一年前の2021年6月18日にアップした
<小屋裏換気に対しての提案として>
https://www.yandykensa.com/blog/8016
にも書いたように
下記資料①の
小屋裏換気経路(設置例)について
おさらいになりますが記載します。
本題に入ります。
上記資料の「ロ」の
軒裏だけの換気口の設置は極力に施行されない様に!
何故ならば
特殊な構造等を除いて
一般的な木造住宅で考えた場合
軒裏換気口から入った空気が
暖まって上昇する考え方と
風によって押されて
小さな軒裏換気口の穴から入った空気は
小屋裏の広い空間の上部の方へ広がって行く考え方の
この二つの原理を考えた場合
同じ高さに有る軒裏換気口から外部に空気が逃げるよりも
上部に有る棟換気口から
外部へ空気が逃げる方が自然と考えるからです。
実際には
「ロ」の設置例でも小屋裏の換気はするでしょうが
問題は
他の設置例よりも
小屋裏に入った空気の滞留時間が長くなると考えるからです。
滞留時間が長くなると何がいけないのか?
もし
湿気を多く含んだ空気が
小屋裏の中に長く停滞したならば
湿気が
野地板などの構造材などの含水率にも影響が出て来て
外部と小屋裏の温度差が大きくなれば
構造材などに
「結露」が発生する可能性が出て来るからです。
どうですか?
住宅の「耐久性能」を考えた場合
劣化事象の大きな原因の元である「結露」が
小屋裏と言う一つの空間を考えただけでも
もしかしたら
知らず知らずの内に発生しているかも知れませんね!
今日の纏めとして
外壁通気構法を完結する必要が有る事と同じ様に
長時間
小屋裏に空気が滞留・停滞する事は
外気の温度差による
「結露」が発生する危険性が出て来ますので
その対策を考える事が必要です!
なので
住宅の設計者は
この可能性を出来るだけ排除する様な
住宅の設計をして行かなくてはなりません。
が実際のところ
一つ項目(性能)を独立させて
「耐震性能」「温熱性能」「気密性能」「耐久性能」
の4つの性能全てを考える設計者は
本の極一部の設計者だけでしょうね!
一般の工務店(ハウスメーカー)の設計者は
何も考えていないと思っていた方が無難です。
なので
注文住宅を考えている方は
事前に4つの性能を自分で勉強して
それぞれの基準を決めてから契約をしましょう!
という事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これでお終いです!
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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