2022/06/30
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<工務店の住宅仕様に対する考え方として>についてお話をします。
今日のお話は
不具合事象の電話相談から始まったお話をします。
電話相談を頂いた方に
確認申請図面一式をメールして頂き
図面をチェックしていました。
依頼者様の困り事(不具合事象)は
1階の部屋中がカビ臭く
各所にカビが発生しているとの事。
で
このカビ発生及びカビ臭に関して工務店に伝えた所
対応策として
床下に床下換気扇を設置したそうです。
依頼者様は
それでカビ臭等が無くなるのならと言う思いだったのですが
このカビ発生・カビ臭は治まらなかったのです。
実際問題として
この様に安易に床下に換気扇を設置するのは
何なんでしょうかね?
カビ発生・カビ臭の原因が床下に有ると分かったから?
そもそも
床下に換気扇を設置するという事は
換気扇を常時付けておかなければならないので
その電気代は誰が払うのでしょうか?
で
その工務店が更に調査して外壁を一部剥いだら
外壁下地がびっしょりと濡れていたとの事。
工務店は
これがカビ発生・カビ臭の原因だと判断して
これまた
この不具合事象に関しては
妻側外壁と軒裏(軒ゼロ)との取合いから
雨漏りが原因だろうと安易に考えて
外壁通気部分の排気口のすき間を
シーリングで塞ごうとしたそうです。
外壁通気構法を潰そうとしたのです。
依頼者様が
この状況に不安を感じたので
SNS等で調べた結果が
当社へ電話相談になったのです。
依頼者様の判断で
シーリング打ちをストップさせた事は
大正解と考えますが
この工務店が
何故
後先を考えずに安易にシーリング打ちで
雨漏りを止めようとしたのでしょうか?
話を少し戻して
依頼者様から頂いた図面をチェックしていたら
矩計図に断熱材施工の留意点が書かれていました。
項目別に分けて全部書きますと
①シート状の防湿層を内装材や乾燥木材によって押さえるか
気密テープで処理を行う。
②内装材端部を木下地のある部位で留め付けるか
テープ処理を行う事によって
防湿上必要な気密性能を確保する。
③断熱材は必要な部分に隙間なく施工する事。
と書かれていました。
①に関しては
断熱材メーカーの施工要領になっていない可能性が考えられます。
つまり
袋入り断熱材の耳部分を柱などの見付部分に
タッカーで留めると書いていない事が瑕疵ですね。
②に関しては
防湿上必要な気密性能を確保すると書いている以外は意味が分かりません。
③に関しては
断熱材は必要な部分に隙間なく施工する事と書かれていますが
必要な部分に隙間なく?って何処の事を指して書いているのでしょうか?
全然分かりません。
実際の建物に当て嵌めてみますと
①に関しては
百歩譲ってキチンと施工していたとして
②に関して言えば
防湿上必要な気密性能を確保していないから室内にカビが発生しているのでは?
③に関して言えば
高断熱仕様のユニットバスを使用するから
ユニットバス下側の基礎断熱を施工していないという事らしいのですが
それで有れば
ユニットバスと躯体壁とのすき間を隙間なく断熱材を施工しているのか?
つまり
矩計図に記載している留意点も中途半端なのですが
施工する職人又は現場監督が
この矩計図に記載している留意点に気を付けて施工していたのかが
大変疑問に思いますね!
今日の纏めとして
確認申請図面に記載されている施工に対する留意点と
その工務店の住宅仕様・工法は
工務店の現場監督に徹底させなければ
諺にも有る様に「絵に描いた餅」ですね!
因みにこの工務店は
その地方では大きな工務店でCMも沢山出しているとの事。
もう「住宅診断」の普及活動はしませんけど(笑)
契約前の図面チェックと
新築の各工程検査を依頼された方が良いですね!
という事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これでお終いです!
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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