2022/07/03
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<「耐震診断」は安易に引き受けない!>についてお話をします。
今日のお話は
木造住宅の「住宅診断」と「耐震診断」の
色々な誤解・問題などのお話をします。
では
ここで一番困る問題は
不動産業者自身が
この二つの診断の違いを理解していない事です。
「住宅診断」も「耐震診断」も同じ事で
「住宅診断」を依頼すれば「耐震診断」もするだろうとか
この反対の考えをされる人もいます。
住宅の販売・仲介を生業(プロ)としている不動産業者さえ
この様な事だから
一般のエンドユーザーが
不動産業者に「住宅診断」や「耐震診断」の事を聞いても
いい加減で間違った知識を教えられるのでしょうね!
又は
エンドユーザーが
「住宅診断」と「耐震診断」を混同していた場合
それを不動産業者が
キチンと二つの診断の違いを説明が出来ないので
エンドユーザーが
誤解される事になるのでしょうね!
最低限の知識として
「住宅診断」は建物の不具合事象を調査して
その原因を目視の範囲で追及して行きますが
「耐震診断」は
住宅の大地震に対する耐震強度がどのくらい有るかを
建物の柱の位置や筋交いの配置及び接続金物等を調査し
それを基にして耐震強度をソフトで計算し
その結果を
下記の様に評点で4つにランク分けをします。
評点0.7未満は倒壊する可能性が高い
評点0.7以上~1.0未満は東海の可能性がある
評点1.0以上~1.5未満は一応は倒壊しない
評点1.5以上は倒壊しない
なので
「耐震診断」で耐震補強をする場合は
最低でも人命保護に重点を置いていますので
評点1.0以上一応は倒壊しないを目標にします。
因みに
大地震とはどの様な地震なのか?
想定されている大地震とは
数百年に一度程度起こる「震度6強」クラスの地震です。
しかし
1995年に発生した阪神・淡路大震災以降に
震度6強・7の地震は
ほぼ毎年の様に発生していますので
いつどこで大地震が起きてもおかしくないのが現状と思います。
この様な事から
「耐震診断」を実施して耐震改修をする事をお勧めします。
ただし
ここで一つ考えて頂きたいのは
例えば
リフォーム工事を実施するから
「耐震診断」を実施して
耐震補強も一緒に工事をしたいと言う方は問題は有りませんが
そうでは無くて
「耐震診断」に補助金が出るからと言う安易な考えで
「耐震診断」をされる方がいますが
この様な方の「耐震診断」は
Y&Y住宅検査では引き受ける事はしません。
何故ならば
上記に記載した様に「耐震診断」を実施した結果
評点が0.7未満が出た場合
つまり
倒壊する可能性が高いと言う評価が出た場合
耐震補強工事をする予算が有れば問題は無いのですが
耐震補強工事の予算が無い方の場合は
ただ単に不安がらせるだけになります。
知らなかったら
別に不安がらずに毎日の生活が出来たのに
地震が来る度に
ビクビクする様な生活を
送らなければならなくなると考えるからです。
購入する前に「耐震診断」を実施する場合や
リフォーム工事を前提に実施する場合以外は
「耐震診断」の依頼を受けない理由を
少しは理解してくれましたか?
今日の纏めとして
「耐震診断」が「住宅診断」と比べて
診断の性質が明らかに違う所は
「耐震診断」の場合は
評点が計算されて「倒壊する可能性が高い」という場合は
見方を変えて見ると
耐震補強工事をしないと倒壊しますよ!
って脅迫している様に受け取られる事が有ります。
「住宅診断」で言う
「瑕疵が存する可能性が高い」とは全然言葉の重みが違います。
なので
安易には「耐震診断」を引き受けないのです!
という事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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