2022/07/17
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<新築分譲住宅を購入される方は必読ですよ!>についてお話をします。
新築分譲住宅の購入を検討されている方は
今日のブログを良く読んでみて下さいね!
今日のお話は
新築分譲住宅で改善されない
不具合事例のお話をします。
改善されないと言っても
その不具合事象を報告書に上げるのは
Y&Y住宅検査しか居ないからかな?(笑)
特に3階建てで車庫が有るプランの場合
必ず指摘に上げる項目が3つ有ります。
一つ目は
下記写真①を見て下さい。
写真の正面奥に
透湿防水シートが途中で止まっているのが見えますか?
この写真部分に写っている間仕切壁は
車庫と居室との間仕切壁(外壁)部分なのです。
これが不具合事象だと気が付きますでしょうか?
これを順を追って説明してみます。
車庫の上に居室が有る場合は
この居室の床下部分は「外気に接する床」として
床下面に断熱材を設置しなければなりません。
ここ迄は理解できますよね!
では
「外気に接する床」の断熱材下側の
車庫天井裏部分は何になるのでしょうか?
外気ですよね!
つまり外部になります。
外部には透湿防水シートを張らないといけませんよね!
では上記写真①をもう一度見て下さい。
透湿防水シートをキチンと梁まで張り上げていますか?
張り上げていませんよね!
だから不具合事象になるのですが
これがなかなか理解されないのです!(笑)
この事は
瑕疵保険の設計施工要領にも記載されていません。
何故記載されていないのか?
施工する事が当たり前の事までは書かないだけです!
二つ目は
下記写真②を見て下さい。
上記写真②は
車庫の上の階の「外気に接する床」の断熱材写真です。
見てお分かりでしょうが
外壁又は天井用の袋入りグラスウールを設置しています。
せめて
外壁と同じ様に455ピッチで間柱の代わりの木材を設置して
その木材に居室側から断熱材袋の耳をタッカー留めをしていれば
百歩譲って良しとしても
上記写真②の様に
間柱の代わりの木材も無しに
車庫側から居室床下地の厚床合板にタッカー留めをしていれば
完全にNG(不具合と言うより欠陥施工)ですね!
この不具合事象を作っているのは
確認申請業務をしている
現場の事を何も知らない設計事務所が作成する
設計図書が原因です!
気の利いた現場監督で有れば
下記写真③の様な
断熱材に変更して施工しています。
勿論
断熱性能は同等以上にしないといけませんよ!
上記写真③の様に
袋入れのグラスウール断熱材や
ロックウール断熱材では無くて
押出法ポリスチレンフォーム断熱材などで施工します。
つまり
1階床断熱材と同じ材質で
「外気に接する床」部分に必要な厚さに変えて使用すれば
施工も楽だし施工不良も激減すると考えます。
三つ目は
下記写真④を見て下さい。
上記写真④は
車庫の天井部分とサイディング壁との取合いに
外壁通気構法を完結させる為の
出口用の通気金物が未設置の写真です。
この外壁通気構法を完結していない
新築分譲住宅がホントに多い事!
この指摘事項に対しての工務店の反応は
外壁通気は
車庫天井裏に逃げるから問題無いはずだ!
って言い張るんですが
皆さんもそう思われますか?
小屋裏に逃げるのであれば
棟換気から外部に逃げると考えられますからまだ良しとして
少なくとも小屋裏換気と同じように
車庫天井裏に換気口が有れば良いですね!
改善策(補修方法)として
車庫天井に換気金物の設置を提案します。
ただし重要な事は
上記最初の写真①の不具合事象である
透湿防水シートの補修をしなければNGですよ!
今日の纏めとして
新築分譲住宅の3つの不具合事象は
他のインスペクション業者は
不具合事象として指摘としてあげません!
何故かと言うと
既存住宅のインスペクションの場合
建築基準法違反などの有無を判定しない事になっているからです。
「既存住宅インスペクション・ガイドライン」等にも
違反などの有無はチェックはしないとハッキリと記載していますから!
しかし
新築の場合に「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を
当て嵌めるのは違うと考えています!
ホントに
何の為の誰の為のインスペクションなんですかね?
この事に何も疑問を持たないのは不思議で堪りません。
まぁ
私の場合は
インスペクション業界では異端児なのかも知れませんね!(笑)
と言う事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで御終いです!
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不適合事象が無い事で安心。
納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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