2017/02/17
■築40年の既存住宅のホームインスペクションにて
(写真の掲載は、まだお客様の了解を貰っていませんので写真は有りません。)
今回、お客様の自宅を売る為の住宅診断をするに当たり、事前にお客様の要望を聞く為にお伺いして、一通り建物を診て廻りました。
驚いた事は、基礎立上りに、3箇所ほど昔のひび割れの補修跡が有っただけだったのです。
そのひび割れ補修跡が再度ひび割れが発生した形跡も有りませんでした。
築40年の木造2階建て住宅の基礎がですよ。
ビックリポンでした。
建物の中で気になったのは、1階の和室真壁の部屋に有るサッシの建付が悪く、実際にホームインスペクションの測定時には、相当な傾斜結果が出るのではないかと思っていました。
しかし、日を改めて実際に住宅診断をした結果、1階の壁の傾斜は、悪い箇所で3~4/1000が3箇所有っただけで、先程の和室の柱の傾斜は、1/1000有るか無いかの傾斜でした。
つまり、サッシの取り付け施工が悪かったのです。
床の傾斜も、畳の部屋以外は全て2/1000から3/1000程度でしたので、耐震診断次第では既存住宅瑕疵保険に加入できると考えていました。
この時点では、築40年で基礎の立上りに補修箇所3箇所以外にひび割れが見当たらなかった事が、壁の傾斜測定結果をもたらしたのだと思っていました。
しかし、やはり最後に落ちが有りました。
床下に入っての詳細検査時に、点検口から入っていきなりに目に入ったものは、基礎のひび割れでした。(点検口から覗いただけの検査では確認できない所)
それも、ひび割れ幅0.7mmも有り、これまたビックリポンでした。
残念ながら、床下検査は、人通口が小さく和室6帖、8帖、広縁(1階の約半分の範囲)しか診れませんでしたが、床下換気口(外部に面する)、人通口廻り全てに0.7mm以上のひび割れを確認。
残りの診れなかった所にも同じようなひび割れが有ると思われます。
(以前にも、基礎のひび割れ0.5mm以上が満遍なく有ったにも関わらず、床・壁の傾斜測定結果が悪くなかった例が有りました。)
外部の基礎立上りのひび割れ補修の3箇所しか見当たらなかったのは何だったのか?
最初の判断を間違わさせた原因は、何だったのか考えてみました。
その結果、一つの回答が出ました。
外部の基礎表面は、黒い塗装を施していた事が原因だったと考えました。
床下の基礎に、あれだけのひび割れが入っていたにも関わらず、外部に3箇所のひび割れ補修跡以外見当たらなかったのは、
ある程度年数が経った後にひび割れが落ち着いてから、ひび割れの表面補修をして見栄えが悪かったので、黒の塗装を施したのではないかという結論です。
塗装を施した後に3箇所ひび割れが出たので補修をした。
これがこの家の最後のひび割れで、その後、完全に家が落ち着き、その後にひび割れは入らなかったのではないか。
だからひび割れ補修跡3箇所が、再度ひび割れが入ってなかったのも頷けますような気がします。
今回のブログは、タイトルに書いた通り「基礎立上りのひび割れ診断に注意!」は、
つまり、床下に入っての検査が必要という事です。
もし、この家が新耐震の建物で有れば、既存住宅瑕疵保険に加入をし、それを購入した人が不安を抱えて生活を送るハメになっていたかもしれません。
今回は、ここで終わります。
この物件は、もう一つ大きな問題が有りましたので、この件は次回に回します。
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