2022/08/16
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<住宅の最高軒高さの考え方(概念)として!>についてお話をします。
今日のお話は
住宅の設計をしていて「?」のお話をします。
今回は
第一種低層住居専用地域に建てる共同住宅で
複雑な構造だったので構造計算をする事で
設計する方としては
少しでも「安心」と言う保証が欲しかったのです。
下記資料①が
その建物の矩計図の簡単に書いた図面です。
上記資料①の
2階軒高さを6990㎜で押さえているのは
第一種低層住居専用地域の場合だからです。
軒高さが
7000㎜を超えると日影規制の制限を受けます。
敷地に余程の余裕が有る以外は
実質的に考えた場合
その建物は日影規制でNGになって建てられません。
今回の建物は
1階にロフトが有って
尚且つ2階にスキップフロアーとロフトが有る為に
階高さが3mを超える大変複雑な構造だったので
構造計算屋に依頼して構造計算をして貰ったのです。
その結果が
上記資料①の矩計図の様に
軒高さ6990㎜より上に有る
梁桁部分の水平構面(火打ち梁を設置する面)で
構造の安全性を高めたのです。
これは
構造計算を実施する事で
この建物の安全性を考えての事でした。
しかし結果的には
確認検査機関で
最高軒高さが7000㎜を超える指摘が有りました。
指摘された理由は
6990㎜より上に有る
梁桁の天端高さが7000㎜を超えているからNGとの事。
外壁の外周部の軒桁高さが
7000㎜を超えていないのに何故?・・・・・
まぁ
最高軒高さの考え方は確認検査機関によって
色々な考え方が有るので仕方が無いですが・・・ ☜ 納得はしていませんけどね!
ここで言いたかった事は
普通の住宅で有れば
共同住宅の様に構造図を提出しないので
結果的に
同じ様に7000㎜を超える梁桁が有っても
確認検査機関が構造図をチェックしないのでOK
という事になります。
しかし
普通の住宅で
より構造的な安全性を求めて
耐震等級3の許容応力度計算を実施して
もし
同じ様な梁桁の高さになった場合は
今回と同じ様に
確認検査機関の審査でNGという事になりますね!
何か腑に落ちませんね!
建物の構造の安全性を追求する為に
構造計算を実施した意味が無くなりますね!
今日の纏めとして
最高軒高さの考え方(概念)を
外壁外周部の軒の高さで統一しませんか?
という事で
今日のお話は、参考になりましたでしょうか?
今回は、これで終わります。
◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊
「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不具合事象が無い事で安心。
納得とは、不具合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊♦◊