2022/08/15
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<現場発泡ウレタン吹付断熱工法はNG?>についてのお話をします。
今日のお話は
現場発泡ウレタン吹付け断熱のお話をします。
現場発泡ウレタンには
30倍発泡と100倍発泡が有って
マンションなどのRC造等の場合は
硬質発泡ウレタン(30倍発泡)を使用します。
それに比べて
一般の木造住宅の場合は
100倍発泡を使用しますが
この100倍発泡を採用する場合には
大きく分けて2つの注意点が有ります。
今回は
その内の一つを説明します。
現場発泡ウレタンの表面部分をカットする場合です。
この事を一般的に言えば
スキンカットと言って
現場発泡で耐水性を保つために必要な
表面の防湿層をカットしてしまう事はNGなのです。
では
どの様な場合にスキンカットをしてしまうのか?
例えば
木造住宅の柱105角の間に吹く
発泡ウレタン断熱材の厚さを100㎜とした場合
どうしても
現場発泡ウレタン吹付けの施工上の問題で
柱の105㎜よりも厚く吹いてしまう事になります。
そうなった場合は
室内側にPBを貼る時に
105㎜よりも厚い部分が邪魔になりますので
どうしてもカットしてしまう事になります。
で
ここで問題が発生するのです。
現場発泡ウレタン吹き付けた後の
ウレタンの表面の硬い部分は
防湿層としてウレタン断熱材を守っている部位なのです。
スキンカットすれば
断熱材の性能が落ちるだけでなく
室内からの水分を吸い取ってしまい
そのスキンカットした表面に
カビが発生する可能性が出てきます。
なので
この様な施工(スキンカット)をした場合は
室内側に防湿シート張りは必須条件になりますが
この防湿シート張りの施工を実施しないのです。
何故施工しないのかと言うと
現場発泡ウレタン吹付けの場合は
湿気を吸わないと言うメーカーの説明を
誤って理解している場合が殆どなのです!
更にこの問題を掘り下げますと
防湿シートをスキンカットした壁面に貼ったとしても
ここに気密性が伴った防湿シートを貼らなければ
やはり前記と同じ様にカビが発生します。
上記のカビの発生の主な原因は
床下の気密性を確保されていなかった場合です。
この場合は
床下からの湿気が壁体内に入り込んで
カビを発生してしまうのです!
どうですか?
何故
Y&Y住宅検査として「現場発泡ウレタン吹付断熱」を
皆さんに推奨しない訳が分かって頂けたでしょうか?
「現場発泡ウレタン吹付断熱」を施工する為には
高断熱・高気密住宅の精密なノウハウが必須条件になりますよ!
今日の纏めとして
生半可な気持ちで
現場発泡ウレタン吹付断熱工法を施工した場合は
昔で言う
「欠陥住宅」を建ててしまいかねませんので
注文住宅を考えている方で
注文住宅の工務店の断熱仕様が
現場発泡ウレタン吹付断熱工法で有った場合は
スキンカットをしない様に依頼するか
高気密住宅(性能)を必ず実施して貰うように依頼して下さい!
出来れば
新築工事途中検査を依頼して
断熱・気密性能の検査依頼をされる事を
是非お勧めします!
と言う事で
今日のお話は、参考になったでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不具合事象が無い事で安心。
納得とは、不具合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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