2022/08/31
「住宅診断」を数多く実施して
不具合事象の原因追求をして来たから分かる
施工未済や施工不良 そして自然の力など
インスペクターから見た住宅設計とは・・・
「泣き寝入り」や「後悔」しない為に
住宅プラン作成の応援をして行きます!
今回は、<建築基準法違反にならない手抜き防止として!>についてお話をします。
今日のお話は
自然災害の被害から家を守ると言うよりも
人災の被害から家を守る為のお話をします。
家に対する人災の被害とは
一言で言うと「手抜き工事」です。
住宅を建てる為に必要な4つの性能として
「耐久性能」「耐震性能」「温熱性能」「気密性能」が有りますが
この4つの性能が一つでも手抜き工事が有れば
人災になると考えます。
ただし
この4つの性能の内の「耐震性能」以外は
明らかに建築基準法違反として
指摘を上げる事ができる不具合事象は有りません。
例えば
「耐久性能」で説明すると
外壁通気構法の未完結であっても建築基準法違反にはなりません。
しかし
外壁通気構法が未完結で有れば
外壁通気部分に外気が停滞する事で
壁体内結露と言う住宅にとっての大敵である「結露」が発生し
壁体内で悪さをする事で「耐久性能」が劣化してしまいます。
少し詳しく
「結露」の原因を説明すると
暖かい空気が
壁体内で滞留した状態で外気が冷えてくると
外気の温度差が原因で「結露」が発生します。
もう少し詳しく言えば
暖かい空気が持っている湿度が
冷たくなった外気に接する事で「結露」が発生するのです。
このメカニズムは
このブログに何回も説明している通りです。
「結露」のメカニズムが分かっていて
「結露」が住宅にとって大敵と分かっていても
「結露」を防ぐ方法が分かっていても
外壁通気構法の未完結は無くなりません。
建築基準法違反ではないからです!
しかしこれは
明らかに人災が起こす不具合事象(被害)なのです!
で考えられる対策として
建築基準法違反では無い
この外壁通気構法未完結を無くす為には
「契約不適合責任」を用いて対応する事が出来ます。
ただしその為には
設計の段階で建築確認申請図面に
「外壁通気構法」で施工する事を明記し
外壁妻側・バルコニー等の軒天と外壁取り合い部分に
外壁通気金物のメーカーと品番を明記する事が必須になります。
ここまでする事で
外壁通気構法未完結は無くなると考えますが
皆さんはどう思われますか?
今日の纏めとして
建築基準法違反にならない手抜き工事を無くす為には
設計の段階で
設計図書に記載できるメーカー名や品番
そして
各性能に対する構法及び数値を細かく記載する事が
建築基準法違反にならない手抜き工事を
無くす為には必須条件と考えます。
つまり
設計事務所選びが大切という事です!
と言う事で
今日のお話は、参考になりましたでしょうか?
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不具合事象が無い事で安心。
納得とは、不具合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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