2022/10/09
このブログは
住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を
住宅診断の一環として
住宅を購入または計画中の方が
泣き寝入り(又は後悔)しない様に
注意喚起の為にアップしています。
今回は、<天井水シミ水垂れの原因は小屋裏の結露かも?>についてお話をします。
今日のお話は
電話相談から不具合調査を実施した
お話をします。
以前にも
この不具合に関して現地調査のお話をしました。
不具合事象の内容は
雨漏りがするという事でした。
雨漏り調査として
工務店側がインスペクション業者に依頼し
その調査報告書には
一部天井を剥がした箇所の赤外線写真と
屋上パラペット部分の写真から
結果報告がされていました。
報告書の内容は
雨漏りの可能性は有りません!との事。
この報告書を信用するしないよりも
工務店側の対応が
雨漏りではないので
瑕疵保険の免責事象と
考えたのかどうかは分かりませんが
工務店側に責任が有りません的な対応をされて
それ以降は何も対応しなくなったそうです。
で
Y&Yの方に電話相談が有って
実際に現地を調査を実施しました。
天井を剥がしている所を見ると
羽子板ボルトは
白く粉が噴いたようなサビを確認しました。
この事だけを見ても
何らかの湿気が天井裏に発生していた事の証明です。
その後に
陸屋根の屋根に上って見ると
排水ドレン廻り一体が水が溜まっている状態でした。
パラペット廻りなども調査した範囲では
雨漏りの原因となる不具合も見つかりませんでした。
再度
屋根に水が溜まっている部分に当たる部屋の天井
(天井を剥いでいる隣の部屋)を
赤外線カメラで検査して見ると
何と
屋根に水が溜まっている範囲がクッキリと
青く映っている(温度が低い)では有りませんか!
調査に行った時期は1月だったので
ハッキリと映ったと考えられます。
この事から
調査報告書には
雨漏りではなく結露が原因で
天井に水シミや雨漏りの様に
水滴が室内に落ちたと説明しました。
結露と結論付けたもう一つの理由は
屋根勾配が殆ど無く(1/100)
天井の懐も
水下側は野地板と天井下地材迄たったの120㎜です。
この90×120が
野地板の受けタルキなのです。
直接この野地板に
発砲系の断熱材40㎜を設置していますので
屋根通気の施工が全くされていない状態です。
屋根断熱工法にも拘らず
屋根通気を取られていないのです。
まぁ
この地域は特に雪が積もる地域なので
小屋裏に結露を誘発する
お手本の様な施工でしたね!
後日談として
今回の依頼者が
この件を弁護士に依頼して
工務店とやり取りする事になった様で
その弁護士より
他の調査写真の資料を欲しいと電話が入り
依頼者に了解を取った後に
写真のデータを送りました。
その後
どうなったのかの連絡が無いのですが・・・・。
まだまだ時期的に
調停の段階に入ったばっかりなのかな?
という事で
今日のお話は天井の水シミや水垂れは
全てが雨漏りとは限りませんよ!と言うお話でした!
今回は、これで終わります。
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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、
ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、
もし不適合事象が有れば、
その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、
不同沈下などの傾きが有れば、
建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、
より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、
お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に
説明するサービスを提供させて頂いています。
ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、
安心とは、不具合事象が無い事で安心。
納得とは、不具合事象が事前に分かる事で納得。
住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。
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